ニュース速報
ビジネス

EUの対中関税、独経済相「罰でない」 中国は競争の結果と反論

2024年06月24日(月)14時32分

 中国を訪問中のドイツのハーベック経済・気候保護相は22日、中国政府高官に対し、欧州連合(EU)が発表した中国製品への関税は「罰」ではないと説明した。ドイツで4月撮影(2024年 ロイター/Liesa Johannssen)

[北京 22日 ロイター] - 中国を訪問中のドイツのハーベック経済・気候保護相は22日、中国政府高官に対し、欧州連合(EU)が発表した中国製品への関税は「罰」ではないと説明した。

中国商務省は21日、EUが緊張を高めれば「貿易戦争」を引き起こす可能性があると警告。EUの中国製電気自動車(EV)に対する反補助金調査で不正行為が行われたと非難した。

ハーベック氏は22日、気候変動対話の冒頭で「懲罰的な関税でないことを理解することが重要だ」と発言。米国、ブラジル、トルコなどは懲罰的関税を採用しているが、EUの手法は違うと述べた。

同氏は、欧州委員会は9カ月にわたり、中国企業が補助金によって不当な利益を得ていないかどうかを詳細に調査してきたと説明。EUの審査の結果もたらされる相殺関税措置は罰ではなく、中国政府が中国企業に与えた利点を相殺するためのものだと述べた。

「市場アクセスのための共通かつ平等な基準が達成されるべきだ」と語った。

中国の国家発展改革委員会トップの鄭柵潔主任と会談したハーベック氏は、EUの関税案は中国との競争条件を公平にするためのものだと述べた。

鄭氏はこれに対し、「われわれは中国企業の保護に全力を尽くす」と語った。

中国製EVへの関税は中国とEU双方に打撃を与えると主張し、ドイツがEU内で指導力を発揮して、「正しいことをする」ことを望むと述べた。

また中国の新エネルギー産業の発展は技術、市場、産業チェーンの総合的な優位性によるもので、「補助金や不公平な競争ではなく(公正な)競争の結果だ」と強調した。

<気候対話>

ハーベック氏は中国における再生可能エネルギーの拡大を称賛する一方で、二酸化炭素(CO2)排出量全体を見ることが重要だと指摘した。

鄭氏は「中国は石炭ベースのエネルギーミックスだ」と述べ、安全保障対策として石炭火力発電所を建設していると説明した。2023年においても中国の電力供給の60%近くを石炭が占めている。

ハーベック氏は「再生可能エネルギーがシステムに与える影響を考慮すると、石炭火力発電の大幅な拡大は別の方法で行うことができると確信している」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米の和平案、ウィットコフ氏とクシュナー氏がロ特使と

ワールド

米長官らスイス到着、ウクライナ和平案協議へ 欧州も

ワールド

台湾巡る日本の発言は衝撃的、一線を越えた=中国外相

ワールド

中国、台湾への干渉・日本の軍国主義台頭を容認せず=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 7
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 8
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中