ニュース速報
ビジネス

米セントルイス連銀新総裁、利下げに慎重 「インフレ低下確認必要」

2024年06月19日(水)03時54分

米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は18日、連邦準備理事会(FRB)はインフレ低下、需要緩和、供給拡大が「数カ月、または数四半期」にわたって続いたと確認してから利下げに踏み切るべきとの考えを示した。2012年4月撮影(2024年 ロイター/Joshua Roberts)

Lindsay Dunsmuir

[18日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は18日、連邦準備理事会(FRB)はインフレ低下、需要緩和、供給拡大が「数カ月、または数四半期」にわたって続いたと確認してから利下げに踏み切るべきとの考えを示した。

ムサレム総裁はセントルイスで行った講演で「利下げを実施することが適切と確信する前に、良好な物価情勢のほか、需要の緩和、供給の拡大が一定期間続く必要がある。こうした状況が実現するには数カ月、もしくは数四半期かかる可能性がある」と述べた。

インフレ率が2%を超える水準で「有意に」停滞したり、再び上昇したりすれば利上げの可能性も排除できないとしながらも、自身の基本シナリオではないと語った。

消費については、向こう数四半期で緩やかになると予想。これまでに発表された経済指標に基づき、5月の個人消費支出(PCE)価格指数は「歓迎すべき下振れ」になると予想していると述べた。

同時に、FRBの現在の政策スタンスが十分に制約的であるかについて明確に分からないと言及。「金融政策は総需要とインフレに下押し圧力をかけ続けていると考えているが、制約の度合いについて幾分の不確実性を感じている」とし、金融情勢は経済の一部には緩和的だが、他の部分では引き締め的になっているとの認識を示した。

ムサレム氏は4月にセントルイス地区連銀総裁に就任。総裁として金融政策について公の場で発言するのは今回が初めて。連邦公開市場委員会(FOMC)では来年、投票権を持つメンバーになる。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米CB消費者信頼感、11月は88.7に低下 雇用や

ワールド

ウクライナ首都に無人機・ミサイル攻撃、7人死亡 エ

ビジネス

米ベスト・バイ、通期予想を上方修正 年末商戦堅調で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平合意「極めて近い」 詳細
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中