ニュース速報
ビジネス

米5月小売売上高、予想下回る0.1%増 高金利で裁量支出手控え

2024年06月19日(水)02時15分

米商務省が18日発表した5月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。2023年12月撮影(2024年 ロイター/Eduardo Munoz)

[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日発表した5月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。4月分は下方改定され、第2・四半期入り後も経済活動が低調だった可能性を示唆。9月利下げ観測が高まる可能性がある。

4月分は前回発表の横ばいから0.2%減に下方改定された。3月分もやや下方改定された。

自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.4%増。4月分は0.3%減から0.5%減に下方改定された。コア小売売上高は、国内総生産(GDP)統計に含まれる消費支出と密接に関連している。

5月の小売売上高は、ガソリン価格が下落し、ガソリンスタンドの売り上げが圧迫されたことで、消費支出の減速が誇張された可能性もある。ただそれでも、物価上昇と金利の高止まりを受け、家計は生活必需品を優先し、裁量支出を削減せざるを得なくなっているのが実情だ。

キャピタル・エコノミクスの北米チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は「家計は金利上昇に対し、想定されているほど無関心なわけではない」とし、「消費の本格的な落ち込みは予想されていないが、消費鈍化と、これに伴う国内総生産(GDP)の伸びのわずかな減速でさえも、絶妙なバランスを取っている連邦準備理事会(FRB)が9月利下げに傾くのに十分な可能性がある」と述べた。

<部門別では強弱混交>

ガソリンスタンドは2.2%減。建築資材と園芸用品店は0.8%減。家具も1.1%減少した。

サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は0.4%減。減少率は1月以来最大だった。前月は0.4%増加していた。

一方、自動車・部品は0.8%増。オンライン売上高も0.8%増加し、前月の1.8%減から反転した。

スポーツ用品・趣味・楽器・書籍は2.8%増。電子機器・家電は0.4%、衣料品は0.9%、それぞれ増加した。

家計消費の重要な指標と見なされる飲食店の売上高は、過去5カ月のうち3カ月で減少。モルガン・スタンレーの米国担当チーフエコノミスト、エレン・ゼントナー氏は「家計が裁量支出を控える中、飲食店の売上高は全体的に失速している」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

週末以降も政府閉鎖続けば大統領は措置講じる可能性=

ワールド

ロシアとハンガリー、米ロ首脳会談で協議 プーチン氏

ビジネス

HSBC、金価格予想を上方修正 26年に5000ド

ビジネス

英中銀ピル氏、利下げは緩やかなペースで 物価圧力を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 4
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 5
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 6
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 7
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 8
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 9
    ビーチを楽しむ観光客のもとにサメの大群...ショッキ…
  • 10
    男の子たちが「危ない遊び」を...シャワー中に外から…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中