ニュース速報
ビジネス

物価目標の達成、持続的賃金上昇の裏付け必要=野口日銀委員

2023年12月03日(日)10時27分

日銀の野口旭審議委員は2日の講演で、日本は現状で米欧のように賃金上昇が主導するインフレにはなっていないとして、「2%物価目標の達成には、それと整合的な持続的賃金上昇に裏付けられた物価上昇が必要だ」と指摘した。 資料写真、日銀本店外観、2009年3月撮影(2023年 ロイター/Yuriko Nakao)

Takahiko Wada

[東京 3日 ロイター] - 日銀の野口旭審議委員は2日の講演で、日本は現状で米欧のように賃金上昇が主導するインフレにはなっていないとして、「2%物価目標の達成には、それと整合的な持続的賃金上昇に裏付けられた物価上昇が必要だ」と指摘した。

日本の現状は、今年の春季労使交渉で実現された30年ぶりの賃上げによって「ようやくその目標達成の可能性が見えてきた段階にすぎない」と述べた。

コロナ禍による世界的な高インフレが、輸入物価の大幅な上昇を通じて日本に根付いた「物価も賃金も上がらないことを常態とする通念」を打ち壊しつつある、との考えも示した。

野口委員は講演で、各国のマクロ経済政策の変遷を俯瞰した。その中で、長期的な中立金利について、世界経済の潜在成長率が上昇しておらずコロナ禍前と比較して高まっていない点は専門家の間でほぼ合意されているものの、各国・地域が数十年ぶりの高インフレと高金利に直面した結果、短期的な中立金利は「コロナ禍前から高まっていることを示唆している」と話した。

(和田崇彦)

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:中国の米国産大豆購入、国内供給過剰で再開は期

ビジネス

SBI新生銀、12月17日上場 時価総額1.29兆

ビジネス

レゾナック、1―9月期純利益は90%減 通期見通し

ビジネス

三越伊勢丹HD、通期純利益予想を上方修正 過去最高
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中