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アングル:中国から日本に軸足移したヘッジファンド、市場の独自性で苦戦

2023年12月01日(金)09時47分

 アジアに投資するヘッジファンドの多くは今年の軸足を中国株から日本株に移したものの、日本市場の独自性が原因で思うように収益を確保できていない。1月16日、都内の証券会社外で撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Summer Zhen

[香港 30日 ロイター] - アジアに投資するヘッジファンドの多くは今年の軸足を中国株から日本株に移したものの、日本市場の独自性が原因で思うように収益を確保できていない。日本に関する洞察力が備わっておらず、参考にすべき投資手法もなかなか見当たらないことなどが影響している。

日経平均(225種)が今年これまでに28%上昇する中で、ヘッジファンドは中国株向けの資金配分を減らして日本株に転じるようになった。調査会社プレキンのデータを見ると、今年立ち上げられた日本株専門ファンドの本数(18本)は中国株ファンドの本数(13本)を17年ぶりに上回った。

ゴールドマン・サックスのデータからも、今年は世界全体で日本株に最も多くのヘッジファンド資金が流入し、その一因が日経平均の高騰だったことが分かる。

しかし発展している半面、効率性が低いとされる日本の資本市場は、高成長の下でパッシブ運用でさえ高いリターンを得られた中国株の投資を長らく経験した向きにとって、なかなか難しい環境のようだ。

複数の運用担当者は、日本では内部留保が潤沢な国際的企業とともに、あまり知られていない小規模企業や、企業改革と物言う株主の行動(アクティビズム)に関する深い理解が求められると口をそろえる。必要なのは、投資すべき銘柄を選別したり、適正水準からかい離している機会を発見したり、アクティビズムの標的を探り当てたりする能力だという。

ロジャーズ・インベストメント・アドバイザーズのマネジャー・戦略調査責任者レオナルド・ウマンツ氏は、中国のロング方向のファンドと同じように「ベータ値」を追求する哲学を日本に当てはめようとすれば、手痛い目にあうと警告する。

ユーリカヘッジのデータによると、日本株専門のロング・ショート型ファンドは今年1-10月の平均リターンがわずか5%にとどまった。

その半面、日本専門のイベントドリブン型ヘッジファンドの同期間のリターンは10%に跳ね上がっている。イベントドリブン型は、企業の合併・買収(M&A)やアクティビズムに関する個別状況に対応して投資する。

シンガポールに拠点を置くフェンヘ・グループは、9月末までに傘下の主力ファンドの日本株投資比率を28%に引き上げ、中国株は8%に落としたことを、ロイターが投資家向けニュースレターで確認した。

1―9月のこのファンドのリターンは1.4%で、その大半はアリババなど中国株で得られたもので、トヨタ自動車に対する売り持ちは全体の足を引っ張った。

ただフェンヘの広報担当者は、その後運用を見直してファンドのリターンは1―11月では5.5%に高まっていると強調している。

日本株投資比率が最大のカイゼン・キャピタル・パートナーズは1―10月のリターンが2桁台前半だった、と事情に詳しい投資家の1人が明かした。

ヘッジファンド助言会社サセックス・パートナーズのマネジングパートナー、パトリック・ガリ氏は、今年の日本株上昇は範囲が限られており、そうした特定の銘柄やセクターに投資していない運用担当者は値上がりの恩恵にあずかれなかったと説明した。

サセックスなどの助言会社は、日本の金融政策の先行き不透明感や、世界的なファンドが長らく無視してきた市場なので日本専門のアナリストが不足している点も、ヘッジファンドが直面する試練として挙げた。

そうした中でも、日本企業の間で改革の動きが加速しているという事情から、やはりロング・ショート型よりも、イベントドリブン型やアクティビズム重視型が「勝ち組」になると予想されている。

ロイター
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