「会議は踊る、されど進まず」......アラスカの茶番劇でアメリカが失ったもの
プーチンに、深層心理レベルで共感や憧れ
プーチンは、ロシアの外交的孤立に終止符を打ち、自国の望みどおりの条件で和平を実現すること、そして、ルールに基づく国際システムを突き崩して、いくつかの大国がそれぞれの影響力圏を確保する国際システム(ロシアは東ヨーロッパで絶大な影響力を握る)を確立することを目指していた。いまプーチンがこうした目標を達成できる可能性があるのは、何十年にもわたりロシアの利害を代弁し続けてきて、皇帝さながらに独裁的な権力を振るうプーチンに、トランプが深層心理レベルで共感や憧れを持っているからにほかならない。
アメリカは、ロシアとウクライナの戦争を終わらせることを目指していた。トランプ政権の下では、それはロシアの主張に同調し、ウクライナへの支援を削減もしくは打ち切り、NATOへの関与を弱めることを意味する。
ウクライナにとっては、独立を守ること、戦闘を継続する能力を確保すること、アメリカとの同盟関係を維持すること、そして、領土を失ったり、主権が弱まったりするような和平合意を避けることが課題だった。
ヨーロッパ諸国の狙いは、今後もアメリカをNATOに関与させ続けることと、アメリカがロシアに有利な和平を推し進めるのを阻止することだった。
「会議は踊る、されど進まず」......アラスカの茶番劇でアメリカが失ったもの 2025.08.26
プーチンにコケにされた! トランプの自己愛がウクライナの助け舟になる皮肉 2025.07.26
名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に? アメリカが日本に向ける厳しい目 2025.07.08
戦術で勝って戦略で負ける......イスラエル軍事作戦の勝因と限界 2025.06.28
次期アメリカ大統領選でユダヤ系大統領は誕生するのか? 2025.06.14
トランプがぶち上げた「ガザ100万人強制移住計画」の既視感 2025.05.31
CIAが制作した「中国人スパイ勧誘動画」に効果はあるか? 2025.05.17