コラム

政治崩壊と暴力に怯えながら......コロナ自粛とエジプト古代詩、コヨーテの日々

2020年10月28日(水)17時45分

妻の兄弟の家のベランダで、マスク姿で臨んだディナーの帰り道でも深い喜びに遭遇した。車のヘッドライトが照らし出した先に、2匹のコヨーテの姿があったのだ!

コヨーテは堆肥を狙って庭にも時々やって来る。もちろん、体重65キロの愛犬モホークは立腹して侵入者を追い出す。番犬の役目を果たしていることは褒めたいが、私の心は浮き立ち、コヨーテの幸運を願う。

私の青少年期、ニューイングランド地方にコヨーテはいなかった。125年以上ぶりに生息するようになったのは、私の祖先がメイフラワー号でやって来た1620年以来、最も森林面積が増えているから。そして数種の農業用殺虫剤の使用が廃絶され、廃棄物の処理法が幾分改善されたからだ。

新型コロナがもたらす憂鬱や疲弊は去らず、政治の危機は米社会に対する不安をかき立てる。だが、ここにはコヨーテがいる。

炭火とオイルランプの明かりの下に座って、私は時間を過ごす。4500年前にエジプトの母親が闇の中から子供をさらいにやって来る魔物を遠ざけるため、わが子に歌い掛ける優しい声を聴きながら。

<2020年11月3日号掲載>

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グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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