コラム

ハメネイ、聖地で「つぶやく」

2010年10月21日(木)15時06分

 イランの最高指導者アリ・ハメネイは今、イスラム教シーア派の聖地コムを訪問している。

 だが、ハメネイがツイッターのアカウントをもち、コム訪問中にもスタッフが最新情報や写真を含むリンク先をつぶやいていることはほとんど知られていない。今日も、シーア派で最も権威ある大アヤトラ3人が学者たちを伴ってハメネイのコムの居宅を訪れたというツイートが流れた。イランの宗教指導者は完全に時代錯誤だと思ったら大間違いだ。

 ハメネイのコム訪問については多くの憶測が飛び交っているし、誤報も多い。だがコムは、イランの初代最高指導者ルホラ・ホメイニが、イラン革命を成功させて亡命先のフランスから帰国した後、短期間ながらも最初に住んだ土地。つまりハメネイのコム訪問とツイッター攻勢は、イランでは現在も将来も宗教が重要な役割を果たし続けるというメッセージに他ならない。

──ムハンマド・サグハ
[米国東部時間2010年10月20日(火)14時04分更新]

Reprinted with permission from "FP Passport", 21/10/2010. © 2010 by The Washington Post Company.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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