最新記事

感染症対策

英首相ジョンソン「社会的距離」対策の見直し検討 入国者の隔離措置修正も

2020年6月15日(月)10時17分

ジョンソン英首相は6月14日、新型コロナウイルス対策として導入したロックダウン(都市封鎖)の一段の緩和を控え、2メートルのソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を確保する規則について見直しを進めていることを明らかにした。ロンドンのオックスフォードストリートの店舗で同日撮影(2020年 ロイター/Hannah McKay)

ジョンソン英首相は14日、新型コロナウイルス対策として導入したロックダウン(都市封鎖)の一段の緩和を控え、2メートルのソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を確保する規則について見直しを進めていることを明らかにした。

イングランドでは7月4日からバー、レストラン、美容院の営業再開を認める予定。

企業経営者からは2メートルの社会的距離を確保する規則で、速やかな業務再開が難しくなるとの声が出ている。

同首相は、感染症対策が進んでいることから、この規則を「調整する余地」があると発言。「常に科学者と緊密に連携し、安全・健康・感染終息を重視して適切な決断を下す」と、来週の営業再開に向けて準備を進めているロンドン東部のショッピングセンターで述べた。

これに先立ち、スナク財務相はスカイ・ニュースに対し、科学者と経済学者の意見を聞き「あらゆる角度から」見直しを進めると発言。社会的距離の規制を緩和すれば、パブが直ちに恩恵を受けると述べた。

同相は2メートルの社会的距離を確保する場合、全体の3分の1しか業務を再開できないが、この規制を緩和した場合、全体の4分の3が業務を再開できる可能性があるとしている。

同相は、航空会社が反発している入国者に対する14日間の隔離措置についても、感染が収束した国同士だけで往来を認める旅行者の「回廊」構想など、変更を加える可能性があると述べた。

同相は、消費を喚起するため、付加価値税(VAT)を引き下げる可能性はあるかとの質問に、VAT引き下げは過去に実施したと指摘。

「この問題について議論する前に、まず店の営業を再開する必要がある。店が休業していれば、VATを引き下げても無意味だ」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染47人 40日ぶりで40人超え
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・ロンドンより東京の方が、新型コロナ拡大の条件は揃っているはずだった
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200616issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国5月鉱工業生産、予想以上に減速 小売売上高は加

ワールド

アングル:韓国で「シャーマン」人気、SNS使い現代

ビジネス

焦点:トヨタ会長に相次ぐ反対推奨、統治と認証不正 

ビジネス

国債買い入れ減額、月2兆円が有力 利上げは秋以降=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:姿なき侵略者 中国
特集:姿なき侵略者 中国
2024年6月18日号(6/11発売)

アメリカの「裏庭」カリブ海のリゾート地やニューヨークで影響力工作を拡大する中国の深謀遠慮

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「珍しい」とされる理由

  • 2

    FRBの利下げ開始は後ずれしない~円安局面は終焉へ~

  • 3

    顔も服も「若かりし頃のマドンナ」そのもの...マドンナの娘ローデス・レオン、驚きのボディコン姿

  • 4

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開する…

  • 5

    米モデル、娘との水着ツーショット写真が「性的すぎ…

  • 6

    水上スキーに巨大サメが繰り返し「体当たり」の恐怖…

  • 7

    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…

  • 8

    なぜ日本語は漢字を捨てなかったのか?...『万葉集』…

  • 9

    サメに脚をかまれた16歳少年の痛々しい傷跡...素手で…

  • 10

    メーガン妃「ご愛用ブランド」がイギリス王室で愛さ…

  • 1

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア

  • 2

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車の猛攻で、ロシア兵が装甲車から「転げ落ちる」瞬間

  • 3

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

  • 4

    米フロリダ州で「サメの襲撃が相次ぎ」15歳少女ら3名…

  • 5

    毎日1分間「体幹をしぼるだけ」で、脂肪を燃やして「…

  • 6

    カカオに新たな可能性、血糖値の上昇を抑える「チョ…

  • 7

    この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「…

  • 8

    「クマvsワニ」を川で激撮...衝撃の対決シーンも一瞬…

  • 9

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

  • 10

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア

  • 4

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 5

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 6

    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 7

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 9

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…

  • 10

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中