最新記事
南シナ海

中国「浮かぶ原子炉」が南シナ海で波紋を呼ぶ...中国大使館代表が匿名で非難も

2024年6月17日(月)13時30分
シオ・バーマン
中国が開発中の小型原子炉「玲竜1号」

中国が開発中の小型原子炉「玲竜1号」 LUO YUNFEIーCHINA NEWS SERVICEーVCGーREUTERS

<安全上の懸念から中止を報じられていた、中国の「浮体式原子炉」配備計画。その推進にフィリピンなど近隣国との緊張感が深刻化。中国はアメリカ非難も>

領有権争いが続く南シナ海で足場を強化すべく、中国が「浮かぶ原子炉」の配備計画を推進している。

船舶搭載型の小型発電所である浮体式原子炉は、中国が南シナ海に建設し、軍事基地化している人工島の電力源になる見込みだ。

中国が計画に着手したのは2016年。南シナ海に最大20基を配備すると発表したが、昨年5月に安全上の懸念から中止したと報じられていた。

浮体式原子炉の配備は地域内対立、特に領有権を争う近隣国との緊張関係を深刻化させている。

「国家安全保障への脅威であり、国益に反する」と、フィリピン国家安全保障会議のジョナサン・マラヤは地元メディアに語った。

洋上原子炉に関して、IAEA(国際原子力機関)は厳格な国際基準を設けて安全性を確保することを求めている。

一方、中国側は6月上旬にアメリカを非難。「核軍縮・不拡散体制を弱体化させる動きをやめるべきだ」と、中国大使館の代表(匿名)がロシア国営タス通信で発言した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、退職年金にプライベート市場投資促す大統

ビジネス

物価目標2年で実現できず、異次元緩和に懐疑論=15

ワールド

ロサンゼルスから州兵半数撤収へ、移民摘発巡る抗議デ

ワールド

米、小国向け関税通知を近く送付 税率10%強の可能
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 5
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 6
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 7
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 8
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中