最新記事

ヘルス

アフリカの違法エナジードリンク、「6時間たちっぱなし」で販売禁止に

Energy Drink with Active Viagra Ingredient Banned After Consumer Complained of Six-hour Erection

2019年3月22日(金)13時30分
ジェイソン・レモン

効きすぎるエナジードリンクの正体は何だったのか csy302/iStock.

<ザンビアで製造しているエナジードリンクにバイアグラの有効成分「シルデナフィルクエン酸塩」が違法に含まれていた>

アフリカ・ザンビアの飲料メーカーが製造するエナジードリンクを飲んだウガンダの男性らから「6時間近く勃起が続いた」「汗が止まらない」などのクレームが相次いだ。調べたところ違法にバイアグラの有効成分が入っていたことが明らかになり、販売禁止になった。

ロイター通信によると、「パワー・ナチュラル・ハイ・エナジー・ドリンクSX」は、ウガンダ、マラウィ、ジンバブエなど他のアフリカ諸国でも販売され、男性の間で人気になっていた。

しかし昨年12月、クレームを受けて検査したウガンダ政府の薬品管理部門が、このドリンクにバイアグラの有効成分である「シルデナフィルクエン酸塩」が含まれていると発表した。この事実は南アフリカとジンバブエの検査でも確認され、ザンビアは今週、正式のこのドリンクの製造・販売を禁止した。

ドリンク製造元「レビン・ザンビア」の総支配人ビカス・カプーアは、今年1月の英BBCの取材に対して、自分の知っている限りドリンクにはどんな薬品も含まれていない、と語っていた。今回の禁止措置について同社は公式にコメントしていない。一方でマラウィは独自の検査結果から、すでにドリンクを販売禁止にしていた。

出回ったドリンクの回収を指示

「ドリンクに不純物を混入させた製造元は、食品・薬物に関する法律に違反した」と、ザンビアのニュースサイト「ルサカタイムズ」は指摘した。「さらに政府の製造認可の規約と条件にも違反している」

ウガンダ薬学会のジェローム・カニーカ会長はBBCの取材に対して、ドリンクへのクレームに対して政府はもっと早く対処するべきだったと話している。「禁止措置は歓迎だが、他国の調査を待たなければならなかったことは国として恥ずかしい」

ルサカタイムズによると、市場に出回ったドリンクについては当局が回収を指示している。今後はザンビア政府の担当機関が、基準に従ってドリンクが製造されているかどうか厳しく監視することになる。

シルデナフィルクエン酸塩はバイアグラという商品名で広く知られる、男性が錠剤で経口摂取する勃起不全の治療薬で、通常は処方箋がなければ入手できない。薬品の専門家が警告するように、医師の指導を受けて適切に摂取しないと血管拡張、動悸やめまいなどの副作用を引き起こすことがある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコCPI、4月は前年比+69.8% 22年以来

ビジネス

ドル/円、一時152.75円 週初から3%超の円高

ビジネス

仏クレディ・アグリコル、第1半期は55%増益 投資

ビジネス

ECB利下げ、年内3回の公算大 堅調な成長で=ギリ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中