中国、党大会中の言論統制を強化 人権活動家に「休暇」強制
トラック運転手
党大会を前に、強制的な「休暇」を取らされる以外にも、拘束されたり、自宅軟禁下に置かれたり、オンラインで批判的なメッセージを発しないよう警告された活動家もいたと、香港を拠点とする人権擁護団体「チャイニーズ・ヒューマン・ライツ・デイフェンダーズ」は指摘。
同団体はここ数週間で、人権活動家が拘束された例を14件把握しているという。
そのうち1件では、安徽省宣城市のトラック運転手Wu Kemuさんが11日に警察に出頭を求められ、そのまま拘束されていると、妻のFang Liangxiangさんは22日、電話でロイターに語った。
「いつ釈放されるのか教えてくれない。自宅で待てとだけ言われた」とFangさんは語る。拘束の原因は、チャットアプリ「ウィーチャット(微信)」で政府に批判的な発言をしたためではないかという。
Wuさんが拘束されているという宣城市の拘束施設に21日電話したが、応答がなかった。
今年に入り拘束や逮捕、もしくは「休暇」に出された活動家の総数が、過去の重要イベントと比較して多かったかは不明だ。また、そのうち何件が党大会と直接関係しているかも分からない。
当局は、活動家の拘束より強制休暇を好むと語る活動家もいる。重要なイベント期間中に彼らの動きを中断させ、外国人記者との接触を絶つことができるからだ。拘束すれば、かえって注目を集めることになりかねない。
民主化運動家で、HIV感染患者の擁護もしている胡氏は、2008年から国家転覆を扇動した罪で3年半収監され、釈放後もずっと国家の監視下にあるという。
「(強制休暇で)私が最初にしたのは、大理市近くの山にランニングに行くことだった。公安職員は一緒に走れないと分かっていたからだ」と胡氏は語った。同行の公安職員は「ランニングするタイプではない」と言う。
「少しの間、監獄から自由になれたように感じた」と述べた。
胡氏は、党大会の期間中、北京に滞在することが許されていない人物リストを公安職員から見せてもらったといい、そこにはノーベル平和賞受賞者の劉暁波の未亡人、劉霞氏も含まれていたという。
劉霞氏は、劉暁波氏がノーベル賞を受賞した2010年以降、北京市内で事実上の自宅軟禁下におかれている。友人と時折交わしていた連絡さえ、7月に劉暁波氏が死亡して以来、ほとんど途絶した、と友人2人がロイターに語った。
公安部は、劉霞氏の状況に関する問い合わせに回答しなかった。