アメリカ企業、貿易摩擦懸念相手の中国で稼ぐ現実
バンク・オブ・アメリカ傘下のUSトラストのテーマ別投資責任者ジョー・クインラン氏は「全般的に多くの米国の財・サービスにとって中国は依然として成長市場であり、中国の消費者が国内市場をどんどん拡大させている」と語り、これらの消費者に製品やサービスを提供する米企業にとっては非常にプラスとなる動きだとの見方を示した。
もっとも、好調な中国市場の恩恵を受けているのは米企業ばかりではない。キャタピラーと競合するコマツ<6301.T>と日立建機<6305.T>の決算からも重機の需要の強さが読み取れる。コマツの4─6月期の中国での売上高はほぼ倍増した。
一方、中国市場においてもいくつかのセクターでは外国企業が苦戦を続けている。大手自動車メーカーの決算によると中国市場で売上高は伸びたが、利幅は圧縮された。ゼネラル・モーターズ(GM)は四半期決算で、業績は好調だったものの価格面で課題に直面していると説明した。
また一部専門家からは、中国の経済や市場の活況がいつまで続くか不安視する声も聞かれる。ノムラ(香港)のチーフ中国ストラテジスト、ヤン・ツァオ氏は「中国経済は不動産市場と輸出の伸びが力強い回復の原動力となっているが、いずれも持続性が乏しい」と指摘。中国の経済成長は第4・四半期に鈍るとみている。
(Adam Jourdan記者)