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トランプ時代のメキシコリスク現実に トヨタも批判で業界に緊張感

2017年1月8日(日)10時20分

トランプ氏は3日に米ゼネラル・モーターズがメキシコで「シボレー・クルーズ」を生産していることをツイッターで批判し、「米国で生産するか多額の関税を支払うべき」と警告。すでに米フォード・モーターが同日、米国での雇用が奪われるという同氏による批判を受けて18年稼働予定のメキシコ新工場計画を撤回し、米国内の既存工場の能力増強に計画を変更している。

<日産に影響大>

トランプ氏の対メキシコ政策で日系メーカーの中でもっとも影響が大きいとみられるのは日産<7201.T>だ。同社は小型セダン「セントラ」や「ヴァ―サ」を中心に米国へ輸出している。同社の80万台規模のメキシコ生産のうち約半分が米国向け。自動車専門家によれば、米国での販売台数のメキシコ生産比率は日産は約25%で、トヨタ、ホンダは10%以下。マツダは、米国販売台数の約3割がメキシコ生産車となっている。

トランプ氏は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉や対メキシコで35%の関税引き上げを公約にしている。JPモルガン証券の試算によると、NAFTA関税引き上げに伴う業績への影響は、日産が最大で、次にマツダ、ホンダ、トヨタの順だ。

ただ、特にトヨタとホンダについては世界生産に占めるメキシコ生産比率が5%以下と小さく、現時点ではリスクは小さいとみている。

一方、すでに各社は米国での雇用確保に貢献しているのも事実だ。昨年の米国での生産はトヨタ、ホンダ、日産の3社だけで400万台を超える。同氏のツイッターでの批判を受けて、トヨタは「メキシコへの投資によって米国の雇用は減らない」との声明を公表した。同氏からの批判を受ける前、日本時間の5日には豊田章男社長が政治情勢に関係なく米国での増産はいつも考えていると述べた。

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