かえって体調・メンタルが悪くなる人も...「休職の前に」知っておきたい「注意点」と役立つ制度とは?

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<休職の直後は体調不良やメンタル不調が表れやすい──仕事を休む前に知っておきたい「周囲への伝え方」からお金のことまで>
休職するまでにメンタル不調が悪化してしまった際にはどうすればいいのか。産業医・心療内科医の吉田英司は、「せっかく休職したのに、かえって体調が悪くなる人もいる。回復の流れを知っておき、焦らずに休養を取ることが大切だ」という――。
本記事では、吉田英司『一生健康に働くための心とカラダの守り方』(かんき出版)から一部を再編集して紹介する。
※第1回:こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
休職直後はさらに体調が悪くなることも
メンタル不調によって休職するということは、体調が大きく悪化しているに違いありません。そして、かなりの覚悟を持って会社を休むことを受け入れたのだと思います。
特にこれまで休職したことがない人は、「休職するともう自分のキャリアは終わる」「もう二度と働けないんじゃないか」「周りの人たちから可哀想な人と思われる」などと考えるかもしれません。
そのような気持ちがあるからこそ、ギリギリまで我慢して、体調を崩しながらも働き続けてしまいます。
しかし、どうしても体調が回復せず、何度も当日朝に動けない日が重なり、ついに自分でも「休職するしかないか」と諦めざるを得ない時が来ます。この時点では、すでに身体と心に大きなダメージが蓄積しています。
さらに諦めた瞬間に、今までかろうじてプライドで支えていた緊張の糸が切れたような感覚になり、休職直後はむしろそれまで以上に体調が悪化することもあります。