最新記事

自動車

ロボタクのZMP、東京五輪までの実用化目指す

2015年10月28日(水)10時40分

──実用化への課題は。

「多くの実証実験を重ね、いろんな状況で確実に問題はないというエビデンスをそろえることと、顧客にロボタクを怖がらず慣れてもらうことだ。基本技術は出来ていても、いろいろな状況に慣らさなくてはならないので実験に投資していく」

──政府の支援もあり、地方創生で期待されている。

「これまで以上にやりやすくなった。実験の機会も増えたので普及への取り組みは加速すると思う。地方自治体など導入したいという依頼も30件きている。高齢化対策や過疎地、その懸念がある地域や島からの打診も多い」

「2020年の売上高はたぶん1000億円を超えていると思う。(五輪向けに)ロボタク3000台以上は出るし、物流支援ロボットの『キャリロ』も人気だ。既存事業(の売り上げ)も積み上がる」

──既存のタクシー会社と競合しないか。

「タクシーが廃業して地元の足がないような地域に入るので競合しない。フランチャイズも考えており、車両メンテナンスなどで人手は必要。雇用は維持されると思う」

──タクシーサービス以外のロボタク活用法は。

「免許はないが、ロボタクだけ欲しい、借りたいというお金持ちがいる。自分専用タクシーには結構、需要がある。運転せずに好きな車で好きな場所に行けて、冷蔵庫やテレビをつけるなど車内も自由にできる。これまで動けなかった田舎のお年寄りも孫を誘ってどこかへ行ける。20年に1台1000万円、25年には800万―700万円くらいで買えるようにしたい」

──自動車メーカーにとっての潜在需要を奪うことにならないか。

「自動車メーカーの自動運転はあくまで『運転支援』で、顧客はドライバー。我々は『旅客サービス』で、顧客は運転できない人や運転したくない人。顧客が違うので競合しない。むしろ新たな需要を生む」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中