コラム

汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏最新インタビュー

2024年05月27日(月)14時40分

【政府による規制について】

(48:40)
GPT-4レベルのAIはそれほど深刻な被害を人類にもたらすことはないと思う。対応は可能だと思う。ただ、AIが継続的に自己改良できるようになったり、生物兵器を勝手に作れるようになれば、なんらかの国際的な規制が必要だと思う。

【ユニバーサル・ベーシック・インカムについて】

2016年からベーシック・インカムの実験を始めた。AIに真剣に取り組み始めた時期だ。AIの進化が失業者を増やす可能性があると思って、そうした問題を解決する方法をいろいろ試してみようと思った。お金ですべての問題を解決できるとは思っていないが、解決できる問題もあるはずだと思う。

その後のAIの急速な進化を受けて、単純なベーシックインカム以上に効果的な方法があるのではないかと思うようになった。例えばユニバーサル・ベーシック・コンピュートのようなものはどうだろう。すべての人にGPT-7レベルのAIの計算資源を分け与え、その計算資源を自分で活用することも、他人に売却することも、難病の研究に寄付することもできる。そういう形のほうがベーシックインカムよりいいかもしれない。

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2025年7月22日号(7月15日発売)は「AIの6原則」特集。加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」/仕事・学習で最適化する6つのルールとは


プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

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