
ベトナムと日本人
ベトナム人材は日本の「礼儀の構造」を説明すれば劇的に伸びる!日越文化OSの違い
すれ違いの正体は語学ではなく「価値観の違い」
日本企業とベトナムの若者が共に働くと、最初に直面するのが働き方のすれ違い」だ。よく「日本語力の問題」とされるが、実際には言語よりも深層にある価値観のズレが原因である。日本は「曖昧さを共有して進む」文化だが、ベトナムの人々は明確な言語化を重視する社会で育ってきた。曖昧は不親切、明確は礼儀。それぞれの常識が異なるため、仕事の進め方に摩擦が生まれる。
日本の「暗黙知文化」は、外国人材には学習が必要
日本社会には「察する力」に依存する部分が多い。場の空気、空間の温度、言外のニュアンス ーー こうした暗黙知を手がかりに仕事が進む。しかし外国人材にとって、これは「学ばないと理解できないスキル」である。日本人が無意識に使っているルールが共有されていないため、誤解が起きやすい。
典型的なすれ違い 双方の「自然」が衝突する
現場ではよく次のような場面が起きる。日本側:「言わなくてもわかると思った」ベトナム人側:「言われないことは勝手にできない」。これは能力の問題ではなく、文化的OSの違いに過ぎない。お互いの「自然な行動」が、相手の「理解できない行動」になる瞬間である。
すれ違いを解消する方法ーー言語化と背景説明が鍵
実は、解決策は極めてシンプルだ。
• 指示は具体的に伝える
• 目的を最初に共有する
• なぜそれをするのか?を説明する
• フィードバックを多めに返す
これだけで外国人材は驚くほど能力を発揮する。「背景が分かれば、どこまでやるべきか理解できる」からだ。
日本の「礼儀の構造」を説明すればベトナム人材は劇的に伸びる
時間厳守、報連相、先回り。この日本式の基準は、すべて「相手への敬意」と結びついている。合理性ではなく文化である。これを丁寧に説明すると、ベトナムの若者はすぐに適応する。理解さえできれば合わせようと努力するからだ。
結論 すれ違いは「壁」ではなく「翻訳すれば乗り越えられる差」
働き方のすれ違いは避けられない。しかし、それは乗り越えられない壁ではない。文化OSを翻訳し合えば、むしろ生産性を高める「成長の接点」に変わる。日本とアジアが共に働く時代には、この「文化翻訳の姿勢」こそが最も大切になる。

- ヨシヒロミウラ
ベトナム在住。北海道出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。専攻はマーケティング。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と文化に魅了され現在まで在住。現在進行形のベトナム事情を執筆。日本製品輸入商社と人材紹介会社に勤務。個人ブログ: ベトナムとカンボジアと日本人 X: @ihiro_x Threads: ihiro_x























































