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ラッシャー貴子|イギリス

犬連れもOK、ロンドンのコワーキングスペース事情

タブレットや資料を持ち運ぶリュックも新調して、いよいよ通い始めてみると、やはりこのオフィスは快適だった。会社勤務の頃とほぼ変わらない感覚で最初から過ごすことができたのは、デスクを固定するプランの利用者が全体の半分ほどいるおかげかもしれない。

固定プランの利用者はそれぞれが席をカスタマイズして観葉植物や写真を飾ったり、キーボードや文房具を残して帰ったりして、すっかりここで落ち着いている。このプランでは自分宛の配送物も席まで届けてもらえるので、ふつうのオフィス環境にかなり近く、知らない人が出入りするという雰囲気が感じられなかった。周りが当たり前のようにすべてをデスクに置いたままにしているので、わたしも安心して席を離れることができた。見慣れた顔が増えてくると、自分の居場所という感覚がわたしにも芽生え始め、誕生日のお祝いをしているどこかのチームを見ると勝手に仲間意識さえ感じるようになった。

オフィスイベントが頻繁に開かれることも、居心地のよさにつながっていると思う。毎月ある朝食会と夕方の軽い飲み会のほか、花束づくり、世界の食べもの持ち寄り大会、ヘルシー生活セミナー、昼休みのジョギングやヨガなどなど、月に3、4回はイベントが企画されていて、誰でも無料で参加することができる。参加人数はそれほど多くはないけれど、手の空いた人がなんとなく集まっておしゃべりが始まる。初めて参加したアロマキャンドルづくりではわたしにも顔見知りができ、それから世間話をするようになって、オフィス生活が豊かになった。せっかく人と一緒にいるのだし、知り合いができるのは大歓迎だ。

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イベントがあるとオフィスがほのかに華やぐ。この日の朝食会はバレンタイン直前だったので、赤やピンクのベリー類が中心だった。筆者撮影

利用者は20代、30代が中心で、そこに少し上の世代が混じる感じだ。ほとんどがカジュアルな服装で、ヘッドフォンやイヤフォンを付けている。驚いたのは半数以上の利用者が2つ以上の言語を話していることだ。世界中から人が集まるロンドンにいることを改めて実感したし、ついでながら、日本語も話す自分もそのひとり、と思うとちょっと誇らしかった。

慣れてくると、さらに奥には会社や部署ごと入居しているエリアもあることがわかった。コロナ禍以降、高騰する賃料節約のためにコワーキングスペースが人気と聞いていたけれど、まさにこういうことなんだな。このプライベートなエリアを合わせると、このコワーキングスペース全体で200人くらいは収容できそうだ。

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暑い夏の日に配られたアイスキャンディー。クリスマス前にはツリーやサンタをかたどったドーナツの差し入れもあり、オフィス時間を楽しく、居心地よくする気遣いが感じられる。筆者撮影

Profile

著者プロフィール
ラッシャー貴子

ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。

ブログ:ロンドン 2人暮らし

Twitter:@lonlonsmile

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