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ラッシャー貴子|イギリス

街が花で埋め尽くされた、チェルシー・イン・ブルーム

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                    (筆者撮影)

 わたしがいちばん好きだったのは、色とりどりの芍薬で店をすっかり覆ったこの展示だ。全体を見ると特に工夫があるように見えないかもしれないけれど、近づくとどの花もいきいきと咲いていたのだ。今が旬の芍薬はバラより高価なくらいなので、とても贅沢な作品だ。

 わたしが行ったのは最終日だったのに、ここでは朝から花のいけかえをしていた。手入れをしていたお姉さんがにこにこしていたので話を聞いてみると、期間中は花の状態を見て毎日いけかえ、スプレーで水をやり続けていたそうだ。こんなに見事に咲いていたのは、細やかな手入れがあったからこそだったのかと、花好き、芍薬好きとして嬉しくなってしまった。

 このお姉さんは、声をかけてきた小さな子どもに芍薬を手渡したり、自分もやってみたいと申し出てきたおばさまに気軽に花を生けさせたりして、お祭りムードを盛り上げていた。

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                    (筆者撮影)

 どの作品にもよさがあって、紹介し始めると本当にキリがない。ご興味があれば、ウェブサイトで受賞作品すべての写真を見ることができるので、ぜひ(今年の分はこちら、過去の受賞作品はこちら)。

 チェルシー・イン・ブルームは、さまざまな色や形の花を見て心が浮き立つイベントだ。さらに今年は国をあげてのエリザベス女王のお祝いも近く、お天気にも恵まれたので、いつにも増して明るい雰囲気だったように思う。コロナ禍から抜け出しつつある喜びもあるかもしれない。フラワーショーやこのイベントが例年通り5月に開催されるのは3年ぶりだったのだ。屋外ということもあって、この日マスクをした人とすれ違うことはほとんどなかった。

チェルシー - 4.jpeg                    (筆者撮影)
 

Profile

著者プロフィール
ラッシャー貴子

ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。

ブログ:ロンドン 2人暮らし

Twitter:@lonlonsmile

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