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ラッシャー貴子|イギリス

コロナワクチン、接種しました

海外旅行はいつ

1月の記事にも書いたように、ワクチン推進派が多い英国では、「ワクチン怖い」とはずっと言いにくい雰囲気だった。が、接種する年齢層が50代に下がった3月あたりから副反応を怖がる声が以前より耳に入り始め他ので、もともと慎重派のわたしはこれでますます緊張してしまった。そして実は接種を受けた今も、長期的な影響についてはにやはり不安を感じている。幸い副反応も軽くて済んだので、そちらの方が気になるくらいだ。

それでもワクチンを打ったのは、そうしなければ旅行ができない、日本の家族や友人に会いに行かれない可能性が高いからだ。ワクチンを接種したらパスポートを発行する制度をもうけて、持っていない人の行動を制限するという話は前から出ていたが、最近は旅行どころかパブに入るのにも必要かという議論が始まっていて、接種を受けないと社会生活にも影響がおよぶかもしれない。それから、ワクチンを受けずに知らない間に他の人を感染させてしまうのもとてもいやだ。

ロックダウンとワクチン大作戦の効果で、ピークだった1月に比べると今では感染者や死者の数が10分の1以下に減っている。それでも政府は夏休みの海外旅行は難しいと見ていて、正当な理由なく海外旅行に出ると5000ポンド(75万円弱)の罰金が課されることになった。夏休みの旅行先として人気のヨーロッパ大陸ではワクチン接種はあまり進んでいないし、外からまたウィルスを持ち込んでしまっては作戦がだいなしだからだ。

少しずつ緩和されつつあるものの、まだロックダウン中の英国。最初のロックダウンから今週で1年が過ぎた。日本に行けるようになるのはいつだろう。

おまけ:アストラゼネカは評判が悪い?

現在、英国で承認されているワクチンはアストラゼネカ、ファイザー、モデルナの3社。わたしが打ったのはアストラゼネカだった。どれを打つのか事前にわかる地域もあるようだが、わたしの場合は接種後にカードをもらうまでわからなかった。今思えば、注射をする前に聞いたら教えてくれたかものかもしれない。初期の頃は周囲でファイザーの名前をよく聞いたが、最近はアストラゼネカが多い印象だ。

ご存じのとおり、アストラゼネカは血栓を作る可能性が指摘されて話題になっていた。WHOは否定したものの、ヨーロッパの一部では使用を一時中止(現在はほとんどが再開)。その間ずっと接種を続けていた英国でも、接種するのがアストラゼネカとわかってキャンセルする人が出たそうだ。

アストラゼネカ問題は、英国ではワクチン自体ではなく政治がらみだと言われていたし、1700万人に40人という血栓のできる確率があまり高いと思えなかったので、わたしはあまり気にしていなかった。この騒動についてご興味のある方は、BBCの日本語の特集記事をじっくりどうぞ(→アストラゼネカ製ワクチンをめぐるEUとイギリスのもみ合い悪化)。供給の契約やブレグジットをめぐるあれこれを英国とEU両方の視点から解説している。

わたしが接種を受けた前日、ジョンソン首相もアストラゼネカのワクチンを受けたそうだ。彼には文句がいろいろあるけれど、同じ船に乗って運命を共有していると思うと少しだけ親しみがわく。

 

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著者プロフィール
ラッシャー貴子

ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。

ブログ:ロンドン 2人暮らし

Twitter:@lonlonsmile

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