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England Swings!

ラッシャー貴子|イギリス

コロナワクチン、接種しました

すべてスムーズな接種会場

予約時間の朝10時に住宅街の集会所に到着すると、入り口に人が立っていた人たちが「注射に来たの? こっちからどうぞー」と温かく迎えてくれた。

手指の消毒ジェルを使い、プレハブのような簡単な造りの建物に入ると、中は体育館のようなところだった。入り口に受付、その奥には簡単な仕切りで作ったブースが10か所ほど設置されている。受付で名前を言うと、ボランティアらしき女性が予約時間ごとに積み重ねられた紙の束から1枚を選んだ。わたしの名前、生年月日、バーコード(QRコードだったかも?)などが印刷されている。ここで「今こういう症状はありますか?」「あてはまる人種を選んでください」と質問を2つ受けたのだけど、どちらもあらかじめリストに書き出されていて効率がよい。人種の質問は意外に感じるかもしれないが、今後の研究や統計のために人種別の摂取率や副反応の出方を記録するんじゃないかと思う。NHSの登録でも記入した記憶がある。

Vaccine partition.jpg

(報道で見ていると、会場の様子はかなりさまざま。わたしが行った会場にはこんな感じのブースだった。戸外でのマスク着用は義務付けられていないイングランドでも、建物の中はもちろんマスクが必須。写真:i-Stock imaginia))

受付で受け取った紙を持って奥に進むと、すぐに人が立っていた。どこでも必要なところに必ず人がいて、これまた効率がよい。その人の後ろに置かれたブースの大きさは3メートル四方ぐらい。それぞれのブース前には椅子が置いてあったが、誰も待っていなかったので、すぐに2番に行ってください、と案内された。

注射の針は突然に

2番のブースには、にこにこした30代ぐらいの男性が2人待っていた。Tシャツ姿だけれど、マスクをつけて手には医療用の手袋。手前に立っていたお兄さんが明るく自己紹介し、奥に座っていたお兄さんも元気よく手を振ってくれた。会場にいる人たちはみんな親切だったけれど、この2人は特に陽気で、話を聞いているとディズニーランドにでもいる気分だった。

「ワクチン接種は初めて?」「これまでコロナになったり自己隔離したりした?」「最近他のワクチンを受けた?」「薬のアレルギーは?」と次々に問診を受けたが、あまりに感じがいいので、お兄さんと世間話でもしている気分。日本だとこういう問診は紙になりそうだし、NHSでも紙に書くこともあるけれど、手間を省くために口頭にしたのかもしれない。一気にいろいろ聞かれたので、わたしは抗生物質に弱いことを伝えそびれてしまった。まあ、これまでその話をして何かが変更になったことはないのでたぶん大丈夫(と祈る)。わたしは問診にひっからなかったけれど(本当はひっかるけど!)、アレルギーがある人などはその場で専門家に相談できるようなので、心配な方はぜひ忘れずに。

Profile

著者プロフィール
ラッシャー貴子

ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。

ブログ:ロンドン 2人暮らし

Twitter:@lonlonsmile

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