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NYで生きる!ワーキングマザーの視点

ベイリー弘恵|アメリカ

太鼓で江戸の庶民文化を伝える「切腹ピストルズ」2018年にNYで演奏

©Seppuku Pistols Documentary

隊長である飯田が率いる「切腹ピストルズ」は、太鼓のパンクバンドともいえるグループだ。なぜパンクバンドなのかといえば、2010年ぐらいまで、4人のメンバーでエレキギターやサンプラーを使ったパンクバンドとして演奏していた。セックス・ピストルズはもちろん、海外のバンドの影響を受けていたのだという。

今回メンバーはシカゴ日本映画コレクティブにて映画「切腹ピストルズ」梅崎陽監督のドキュメンタリー映画が上映されたため、シカゴの同イベントで太鼓の演奏したという。その後、NYニューヨークへやってきて、尺八の演奏している野中が単独ライヴを行ったのだ。リハーサル前に、同行していた隊長の飯田にお話をうかがった。
©Seppuku Pistols Documentary

──なぜパンクバンドから日本の太鼓という世界へ足を踏み入れたのですか?

パンクをやっていてもモノマネではつまらないって思って。30歳をすぎて2000年からロンドンへ行きました。2〜3年はそのまま放浪していたのですが。そのうちに友達ができて話しているうちに『パンクという音楽はそもそもアメリカやイギリスで開発された音だから、彼らがこれからもやり続けるだろう。だったら俺達にはなにがあるんだ?』って問い続けていたんです。

3年後、日本に帰って日本にある面白いものを探しているうちに、パンクに日本の音楽をまぜたものを作っていました。たとえるならヒップホップみたいにサンプラーで音を重ねてつくるような感じでしょうか。いつかその混ぜているお囃子などを生で演奏したいなぁと思いつつ、2011年に東北の大震災と原発事故があって、電気どうする?などと、世の中が混乱してました。

いつか自分らでやりたいと思っていた和楽器は、このタイミングだろう!という衝動にかられたんです。和楽器は電気気にしなくて良いし、大昔からその地域によくないことがおきたら、魔除けにつかうとか、土壌に対しての儀式を行うといった意味があります。

半分本気で、放射能の除染にいこう!と、福島の一般の人が入れる原発ギリギリ近くまでいきました。それが和楽器になった切腹ピストルズの初めての演奏でした。これしかないと実感したんです。それまでの和楽器の印象は、阿波踊りを見に行ったり、映像やレコードで聴いたりでしたが、実際に自分が担いで、そして感情にまかせて音をならしたとき、その体感と感動は想像以上で一瞬で虜になりました。

ドラムやサンプラーで使う和楽器でとどまっていたものが、和太鼓集団になって、そのうちお客の中から『自分もやりたい』という人が集まってきて、隊員が増えていきました。笛では、尺八を演奏している野中が隊員の紹介で加わったんです。
©NY1page LLC

今は、メンバーが24人になっています。本業もそれぞれあって住んでいるところもバラバラなので、関東でやるときには14,5人で集まる、九州でやるときは九州へ近い人が14,5人集まる、そんな形でなりたつのが「切腹ピストルズ」です。ただ一つ、これまでは週1回は東京で稽古ができてましたが、そのうち演奏や出演で地方に行くことが増えたため、本番が稽古みたいな感じになってました。

──2018年に初めて海外で演奏したそうですが、海外で演奏しようとしたときに、なぜニューヨークを選んだのですか?

ドキュメンタリー映画として『切腹ピストルズ』を追いかけてくれている梅崎監督が、日本を表現している音楽なので、海外でやればいいのにって言われたことがきっかっけです。

では、どこか行きたいところはありますか?って聞かれて。2018年という年は、明治維新1868年からちょうど150年たっていて、今の近代日本につながっているのですが、僕が好きになった江戸時代の庶民文化は、欧米へ出すのは野蛮で恥ずかしいからという理由で1868年から価値を失っていったものです。

黒船が日本へきて、そんな時代が庶民文化をどんどん封じこめてきた。そこから150年、どうやら世の中は大してどうにもならない。自分は西洋文化が好きで、音楽やアートを真似たり追いかけたりしてたし、大半の人もそうでしょう?クオリティ低い西洋かぶれ。『あらためて考え直しますわ』という、挨拶、お礼参りというか、仁義というか、そんな意味で『逆黒船』というお題をつけました。黒船の米国で一番賑やかなど真ん中ニューヨークだな!って。

それまでに中国やヨーロッパからも引き合いがありましたが、予算の関係から断ることも多くて。梅崎監督が、『だったら自分がNYに連れていきます』と。

──ニューヨークで実際に演奏してみていかがでしたか?

日本人の代表と勝手に思って来たのですが、自分らの方法を発掘しないといけませんから、プレッシャーはありました。タイムズスクエアやパンク・アイランドで演奏しました。これは日本でも同じような観客の反応なのですが、初めて切腹ピストルズに接した人は、半分ぐらいが盛り上がって、半分ぐらいの人はどうすればいいかわからないって状態です。

野良着きてる隊員が、突然客席に襲ってくる演奏なのですから。最初は立ちすくんでる人もいましたが、終わる頃には全員が盛り上がってくれました。ニューヨークのお客さんにもすごく喜んでもらったので、よかったです。

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©NY1page LLC 写真左 野中克哉 写真右 飯田団紅 写真を撮るよって言ってもポーズをとらない自由人な飯田。

【プロフィール】
飯田団紅 いいだだんこう切腹ピストルズ総隊長絵師東京生まれ二〇十三年に妻の地元・栃木市西方へ移住

【関連リンク】
切腹ピストルズYoutube公式

 

Profile

著者プロフィール
ベイリー弘恵

NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。

NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com

ブログ:NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

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