コラム

トランプの卑小さを露呈させた暴露本「炎と怒り」

2018年01月10日(水)10時30分

バノンに対する手のひらを返したような態度も同類だ。白人至上主義者を取り込むバノンの戦略がトランプの意外な勝利に貢献したのは事実だし、バノンに感謝するツイートもしている。それなのに、今となっては「勝利に彼は関係ない」と否定している。

この暴露本は、特に重要な新事実は提供していない。

だが、人間としてのトランプの卑小さは露呈している。

アメリカには、何があってもトランプ大統領への支持を変えない強固な支持者が38%ほどいる。だが、人は論理ではなく、感情で動くものだ。あまり期待はできないものの、暴露本がこの数字に影響を与えるかもしれない。

支持率の数字が明らかに下落したら、これまではおおっぴらにトランプに反発できなかった共和党議員も自分の地位を守るために動き出すだろう。そこが今後の注目点になる。


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プロフィール

渡辺由佳里

Yukari Watanabe <Twitter Address https://twitter.com/YukariWatanabe
アメリカ・ボストン在住のエッセイスト、翻訳家。兵庫県生まれ。外資系企業勤務などを経て95年にアメリカに移住。近著に『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)。新著に『トランプがはじめた21世紀の南北戦争:アメリカ大統領選2016』(晶文社、2017年1月11日発売)。

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