中国全人代、民族団結法可決 中華民族帰属意識を促進
写真は中国全国人民代表大会(全人代)が開催される人民大会堂。3月12日、北京で撮影。REUTERS/Florence Lo
[北京 12日 ロイター] - 中国全国人民代表大会(全人代)は12日、国家統一に向けて中華民族の意識を少数民族も含めて広く共有することを目指す「民族団結進歩促進法案」を可決した。
法案は賛成2756票、反対3票、棄権3票で可決された。
中国には公式に56の民族が認められており、漢民族が91%以上を占める。チベット族、モンゴル族、回族、満州族、ウイグル族などの少数民族は、国土の約半分を占める地域に居住し、その地域の多くは天然資源に恵まれている。
法案は、教育、住宅、移住、共同体生活、文化、観光、開発政策を通じて民族間の統合を促進することを目的としている。
学校教育、政府業務、公的業務では基本言語として標準中国語(北京語)の使用を義務付ける。公の場において標準語と少数民族言語が併用される場合、標準語は「配置、順序、その他類似の点において優先される」とする一方で「国家は少数民族言語・文字の学習と使用を尊重し保護する」とした。
宗教団体、宗教学校、宗教施設は「中国における宗教の中国化の方向性」に従わなければならないと規定。
民族・慣習・宗教に基づく婚姻選択への干渉を禁止し、民族間の婚姻促進を図る方針を示した。
中国国外の組織・個人が「民族の団結と進歩を損ない、民族分離主義を生み出す」行為を行った場合、「法律に基づき法的責任を追及される」としている。
コーネル大学政治学准教授で中国外交政策の専門家であるアレン・カールソン氏は、法案は「同化」への動きと指摘。「習近平体制のもと、非漢民族が漢民族多数派との統合をより推進し、何よりも北京への忠誠を尽くさねばならないことを、これまでないほど明確にした」と述べた。
国営紙チャイナ・デイリーは社説で、法案は厳格な法的手続きを踏み、議員や少数民族の代表と議論を重ねたとし、「本法は全民族の文化的伝統と生活様式の保護を強調している。中国の少数民族が経済発展と文化保存のどちらかを選ばねばならないとする主張は誤解を招く」と述べた。





