コラム

3密回避? 大丈夫、日本には自動販売機がある!

2020年05月28日(木)16時50分

3密回避を重んじる我がコロナポッドにぴったり

人によって好みは異なるが、筆者の場合、以下のような所に興味がある。

まず、(コロナポッドが関西にある前提だが)JR大阪環状線野田駅の近くにある「10円自販機」へ足を運ぶ。仲間をここに連れていく理由は、「え? なんでこんなに安いの!?」と驚かせたいから。今、新型コロナウイルスのせいで収入が減っている時期でもあるので、この10円はただ驚くべき数字であるだけでなく、ありがたい数字でもあるはずだ。

ちなみに、破格の値段で商品を販売できるのは、賞味期限がやや近いことと関係があるようだ。買ったものはその場ですぐ飲むことにしよう(なお、筆者は関東在住で、現在この10円自販機がどういう状態かを確認できていない。どなたかご存じの読者がいたら教えてもらいたい)。

次に、自動販売機に囲まれて食べられる食堂を訪れる。これはただ一服するためではなく、本格的な食事を楽しむのが目的だ。オートレストランと呼ばれ、関西を含めて多くの地域にこういった施設があるけれど、ここでは群馬県伊勢崎市にある有名な「自販機食堂」を自分のコロナポッド(そして読者)に紹介したい。

ここでは天ぷらうどんやチャーシュー麺が食べられるだけでなく、出来たてほかほかのトーストサンドやハンバーガーを楽しめる販売機もある。それを作ってくれる昭和の「レトロ自販機」には何とも言えない人間味があるが、無人施設だから、やはり3密回避を重んじる我がコロナポッドにぴったりの場所だ(参考までに、自販機食堂のツイッターはこちら)。

最後に、杉田農園直売所(東京都世田谷区)という所へ行ってみる。ロッカー型販売機がぎっしり並んでいる施設で、すぐ近くの畑から直接入荷するトマトや豆、トウガラシ、茄子などはスーパーマーケットに負けない丈夫さ、新鮮さがあるのに安価だ(税込み100円だったりする)。

何種類もの天然肥料が税込み100円くらいで買えるのも魅力的。筆者はここで苗も買いたい。これで、家庭菜園アンド巣ごもり自炊生活に役立てよう。

ほかに、我がコロナポッドとは今のところ無縁だが、結婚指輪だって、誰とも接せず、24時間営業の自動販売機で買える!

これだけ多くの自動販売機のある日本には、面白くて便利な販売機もたくさんある。コロナ禍からの経済回復はまだ途中の今、これらの無人機械が頼れる大事な存在になれる気がする。

少なくとも「ニューノーマル」が定着するまで、こういった自動販売機を再発見し、ときおり利用していきたいと思う。

プロフィール

トニー・ラズロ

ベストセラーとなったコミックエッセイ『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ、メディアファクトリー)の主人公。1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動する。著書に『ダーリンは外国人 ベルリンにお引越し』『英語にあきたら多言語を!――ポリグロットの真実』『手に持って、行こう――ダーリンの手仕事にっぽん』など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

欧州、長期的にはEVが主流に EUの移行計画後退で

ビジネス

競争力維持へコスト削減継続=独VW・CEO

ワールド

ドイツが300億ユーロの基金創設、競争力強化へ民間

ワールド

米当局、ブラウン大銃撃容疑者を特定 MIT教授殺害
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story