コラム

「白米はよくない」? 健康と環境の両面で知ったこととは

2023年06月04日(日)12時00分
トニー・ラズロ(ジャーナリスト、講師)
米

KAZOKA30/ISTOCK

<温暖化につながるメタンガス。稲作が世界のメタン排出量の12%を占め、日本のメタン排出量の約42%が水田によるもの。お米への世界の厳しい視線について>

アメリカ人の友達が日本に来たので、レストランへ連れて行くことにした。

初来日ということで、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食がいいと思い、「お寿司はどう?」。でもその提案は蹴られた。どうしたのかな。「生ものが嫌い?」。

そうではない。もしかして、回転寿司チェーンで撮影されたあの迷惑動画が気になってる? 少年が醤油さしや湯のみに唾液を擦り付けて騒動になったのは記憶に新しく、海外でも「寿司テロ」などと報じられていた。

しかし友達が寿司を拒んだのは、むしろ栄養が理由だった。え、栄養? 寿司は健康食なのでは? 

カロリーは比較的控えめで、魚や貝などのネタによってはオメガ3脂肪酸がたくさん含まれている。タンパク質やカルシウム、鉄、マグネシウムも摂取できる。

でも問題は寿司ネタではなく、シャリ(米)にあるという。寿司を玄米で用意してくれる店はないかと友達に聞かれた。あるいはクスクスとかカリフラワーライスとかは? 

カリフラワーを細かく刻んで作るカリフラワーライス。食べたことはあるが、それで寿司を出してくれる店なんて聞いたことがない。

友達が白いご飯(厳密に言えば、寿司は酢飯だが)を避けている理由の1つは、その「消化のよさ」だという。

例えばイモやオートミールなど、ほかのデンプンと比べて白米は腸内で消化酵素によって効率よく分解される。そのため余計なカロリー摂取につながり、太りやすいそうだ。また、血糖値を上げる速度が速く、糖尿病合併症のリスクが心配とか。なるほど。

「それに環境保護の面から考えても、ご飯はほどほどにしたほうがいい」

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

豪GDP、第2四半期は前年比+1.8%に加速 約2

ビジネス

午前の日経平均は反落、連休明けの米株安引き継ぐ 円

ワールド

スウェーデンのクラーナ、米IPOで最大12億700

ワールド

西側国家のパレスチナ国家承認、「2国家解決」に道=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 10
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story