自転車を分解して鉄道で運ぶ......知られざる日本文化「Rinko」
そこで思い付いたのは、コンパクトな折り畳み自転車。重さ9キロ弱(※)で、小さな袋に入るもの。JRなど交通機関の規則を簡単にクリアできているので、理論上はうまくいくはずだが、理論と現実は違う。
いくら規則で許された行為とはいえ、やってみたところ、朝のラッシュ時には他の乗客に迷惑過ぎることが分かった。そこまでは考えが及ばなかった。せっかく買った折り畳み自転車は折り畳まれたまま、今や断捨離の対象になっている(写真)。
わがままと言われる覚悟で、ここでプチ提案。日本にも以前から自転車を鉄道車両内にそのまま持ち込める「サイクルトレイン」という試みがある。ただし、これは主にレジャー向け。自転車旅行をする人が面倒くさい輪行をしなくて済むようになっている、というわけだ。
そこで、都心の通勤・通学用にも自転車を持ち込める特別車両を設けてはどうか。別料金を払って、サイクルトレインのようにそのまま持ち込む方法もあれば、袋に入れるという条件付きの方法もあるだろう。
そういう特別車両ができたところで、利用する人がどれだけいるのか。僕には分からない。でも――やっぱり――大きな助けになるという人も確実にいる。半分くらいの苦労で通学できるようになる中学生なら、一人、知っている。
※折り畳み自転車の重さに誤りがあり、修正しました。(2021年3月15日13:30)
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。

アマゾンに飛びます
2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない 2025.04.25
小池知事に聞いてほしい、東京都が学ぶべきEUの留学制度 2025.04.09
12万人が関与、起源は台湾...中国「詐欺組織」が東南アジアで巨大化した理由 2025.04.03
生成AIで記事も動画も作れる今の時代に、記者としてすごく悩んでいること 2025.03.29
日本では起こりえなかった「交渉の決裂」...言葉に宿る責任感とは? 2025.03.21
韓国大統領の弾劾裁判騒動に思う、「大統領降ろし」という当然の権利 2025.03.08
日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻な問題 2025.02.26