トランプ関税で「工場移転」が加速――米中に挟まれた東アジア、日韓連携は突破口になるか
THE HOLLOWING OUT OF EAST ASIAN INDUSTRY
サムスンがテキサス州に建設中の半導体工場 BRANDON BELL/GETTY IMAGES
<関税の波は、まだ引く気配がない。米中対立の余波が、東アジアの産業地図を塗り替えつつある>
東アジアの貿易と投資の形、より広く言えばグローバルなバリューチェーンの構造は、主にアメリカの関税政策によって根本的に変化した。
トランプ米大統領は1期目の任期中に中国に高関税を課したが、それ以外の国にはほとんど手を出さなかった。結果、日本や韓国など東アジアの企業はサプライチェーンを中国から東南アジアや中南米に移転させ、一部は国内回帰も進めた。
続くバイデン政権もトランプの対中関税をほぼ維持し、独自の関税も導入。2022年には、半導体や電気自動車(EV)といった環境・ハイテク製品の国内生産に多額の補助金や税制優遇を与える法案を成立させた。
これにより東アジア企業は対米投資を拡大。23年には韓国が、米国内のプロジェクトへの投資額で台湾を抜いて最大となった。
トランプの大統領再任はほとんどの国に対米輸出関税の大幅な上昇をもたらし、このプロセスを加速させた。大抵の東南アジア諸国は、日本や韓国(15%)よりも高い関税(約19%)を課されている。
これは日韓の企業がアメリカでの生産を増やす動機となる。韓国の現代自動車はジョージア州の工場で操業を拡大し、サムスンはテキサス州に半導体のファウンドリ(受託製造工場)を建設中。50%の関税に直面した鉄鋼大手ポスコは現代製鉄と合弁で、ルイジアナ州に製鉄所を建設すると発表した。
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