ブレグジットから10年...「主権を取り戻す」というスローガンに敗れた「欧州の理想」は消えたのか?
00年代半ばまで、このプロジェクトは活力に満ちていた。大学では超国家的機関としての欧州の未来と、既存の統合を「力」ではなく「権利」に基づく政治的組織へと昇華する方法論をめぐり、議論が展開された。この時期はまだ、「欧州市民」を主役とする憲法制定構想が生きていた。まさに希望の時だった。
皮肉なことに、この夢が現在も生きている唯一の場所がアルバニアだ。この国は、また別のタイムカプセルに閉じ込められているように見える。
アルバニアにとって理想の時代は、90年代初めから後半のEU発足──マーストリヒト条約(欧州連合条約)の調印から憲法制定プロジェクトまで──の時期だ。選挙はEU加盟の公約をめぐって争われ、加盟派が勝利した後、EUの法体系に合わせた法改正が一夜にして成立した。
だが代償もあった。沿岸部の町シェンジンとジャデルには、イタリアが建設した収容施設が存在する。イタリアの難民申請者や海上で救助された移民を収容するこの施設は、欧州の他地域や世界の多くの地域が生きる現在の秩序を想起させる。そこには世界市民的理想と未来のディストピアの境界領域が横たわっている。
推測するよりも希望を語る
25年3月、イタリアのジョルジャ・メローニ首相は議会演説で、この新たな秩序を誰よりも明確に表現した。この演説にはベントテーネ宣言への批判も含まれている。同宣言にはこう記されていた。「まず解決すべき課題は、主権国民国家による欧州の分割を完全に廃止することだ。これに失敗すれば、他のあらゆる進歩は表面的なものにとどまろう」





