リアルすぎる核スリラー『ハウス・オブ・ダイナマイト』が暴く、抑止神話の脆さ
A CALL TO ACTION
ビグローとオッペンハイムは、元上院議員のサム・ナンにも取材した。ナンが率いるNGO核脅威イニシアチブは「単独権限」というテーマを最も重視している。
「核攻撃や報復を決断する唯一の権限を、大統領が持っている。その人だけが世界の運命を決められる。私たちが選挙で投じる一票は、その決断を下す立場に誰を置くかという選択でもある」と、ビグローは語る。
自分の作品から人々に何を持ち帰ってほしいかと尋ねられると、ビグローはこれまで彼女を突き動かしてきたジャーナリスティックな精神をのぞかせつつ言った。
「この映画を見た人たちが、少しでも多くの情報を得てくれたらうれしい。いま起きていることを、少しでも背景を理解した上で受け止めてほしい。知識は力だから」





