最新記事
ドローン

ドローンが戦争の常識を覆す...ウクライナ戦争に見る「非接触型戦争」の最前線とその実態

SWARM UND DRANG

2025年10月1日(水)19時15分
ヤシル・アタラン(戦略国際問題研究所〔CSIS〕研究員)

ウクライナも新手法で対抗

ウクライナにとって自律型ドローンシステムは、兵員不足を補う重要な戦略だ。その典型が、遠隔地にいる操縦者が飛行映像を見ながら操作するFPVドローン。前線で活用され、戦車や砲兵隊、塹壕を安い費用で正確に攻撃できる。偵察ドローンと連携する例も多く、ウクライナ軍は標的の識別・攻撃が数分以内で可能になった。

さらにウクライナは、ロシアの通信妨害に対抗するため、操縦者とケーブルでつなぐ光ファイバードローンを導入した。妨害の影響を受けずに10〜15キロ飛行できる。こうした新手法で、ウクライナは砲弾不足を補っている。


より長距離を飛ぶドローンのシステムの生産拡大にも投資してきた。心理的な圧力を大きくするため都市部に一斉攻撃を仕掛けるロシアとは対照的に、ウクライナは石油精製所や補給庫、軍事基地といった戦略的インフラに焦点を絞っている。

この戦略は成果を上げているようだ。ウクライナは最近、国境から約1400キロ離れたロシア最大の石油精製所の攻撃に成功した。狙いはロシアの物流を機能不全に陥らせ、経済を弱体化させること。ただしロシアの広大な国土を考えれば、この作戦を続けるのは容易ではない。

Foreign Policy logo From Foreign Policy Magazine

※本記事(前・後半)は2025年10月7日号「二刀流の奇跡」特集掲載記事です。

<記事後半:ドローン攻撃の目的は突破口を開くことではない...ドローン攻撃を続けるロシアの真の目的とは?

ニューズウィーク日本版 AI兵士の新しい戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月13号(1月6日発売)は「AI兵士の新しい戦争」特集。ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ディズニーCEO「今後も対中投資拡大」、北京で副

ワールド

米印貿易協定、モディ氏の電話見送りで暗礁=ラトニッ

ビジネス

台湾TSMC、第4四半期売上高は前年比20%増 予

ビジネス

マスク氏のxAI、ミシシッピ州データセンターに20
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 8
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 9
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 10
    「不法移民からアメリカを守る」ICEが市民を射殺、証…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中