トランプに先手を取られ、新興政党には後れを取った──石破政権を待つ「過酷な運命」とは?
Checkmate
多党政治時代の到来
石破首相は今後どうなるか。1994年の政治改革で導入された衆院の小選挙区比例代表並立制は、日本に政権交代可能な二大政党制をもたらすことが期待されていた。
しかし今回の参院選は二大政党制の確立が見果てぬ夢で終わり、多党分散型の政党政治に収れんしていく現実を映し出しているようにみえる。比例票の劇的な変動を見るに、日本政治にとって転換点となる可能性が高い。
今後の日本政治が多党政治化する場合、自民党の総裁に求められる資質は、党内派閥間の権力闘争に勝利し、あるいは派閥間の調整にたけた人物であることよりも、政党間の協議で合意を形成できる人物であることに重点が移っていくことになろう。同時に、多党並存時代が到来するということは、全ての政党が真の「責任政党」化を求められるということでもある。
55年体制以来の、万年野党であることを前提とした牛歩戦術や日程闘争、漫然とした内閣不信任案提出といった野党政治は通用しない。政党は有権者がその都度選択する最適解を構成する一つのパーツとしての役割を果たせるかが問われていくことになる。
どの政党も過半数を獲得できず多数派工作によって連立政権を樹立するという欧州で典型的に見られる多党政治では、議会の比較第1党の党首が首班指名を受けるのが常道だ。その点では、今回石破首相が「比較第1党」にこだわって続投を表明したことは、多党政治時代の到来を前提とする限りでは一定の理があるともいえる。





 
 
 
 
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     












