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「私はプーチンを好かない!」遂にキレたトランプ...「友情」の決裂はウクライナを救うのか?

Russia Not Worried

2025年7月23日(水)16時46分
クリスチャン・カリル(本誌米国版元モスクワ支局長)

そもそも、これがトランプの悪名高い「取引」の1つであるとすれば、彼がその約束を守ると考えるのは間違いだ。トランプはこれまでに何度も、過去の合意を平然とほごにしている。

もっと重大な懸念もある。もしもロシアが50日以内の戦闘終結を拒むならば「非常に重い関税」をロシアに課すというトランプの宣言だ。


勇ましく聞こえるが、実はアメリカがプーチンに対する本気の経済制裁を(またも)先送りすると言ったに等しい。ロシアが過去の停戦合意や交渉圧力を巧みにかいくぐってきた事実を考慮すれば、50日というのは驚くほど寛大な猶予期間だ。

それにトランプは、諸外国への関税発動期限に関して驚異的な柔軟性(はっきり言えば一貫性の欠如)を見せている。プーチンが交渉に戻るそぶりだけでも見せれば、トランプはすぐさま期限を延長するだろう。

さらに言えば、アメリカには関税を課すべきロシアからの輸入品がほとんどない。トランプはロシアの石油を買っている国(インドや中国など)に対する「二次関税」についても言及しており、実際に発動されれば一定の効果は期待できるかもしれない。

しかし、いま上院で超党派の支持を得ている厳格な制裁法案との整合性は明らかでない。また、この法案でも対ロシア制裁については完全にトランプ大統領の裁量に委ねられている。そしてトランプがロシアに、口先以上の制裁を課す気配は見られない。

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