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「私はプーチンを好かない!」遂にキレたトランプ...「友情」の決裂はウクライナを救うのか?

Russia Not Worried

2025年7月23日(水)16時46分
クリスチャン・カリル(本誌米国版元モスクワ支局長)
NATOのルッテ事務総長(左)と会談するトランプ米大統領(右)

プーチンに圧力をかけるべく、トランプ(右)はNATOのルッテ事務総長(左)との会談でウクライナへの武器供与再開を発表した(7月14日) KEVIN DIETSCH/GETTY IMAGES

<「彼はナイスな話をするが、その晩には爆撃する」――プーチンに苛立ち、突如ウクライナ支援に転じたトランプ。米外交の迷走はまだまだ終わらない>

対ウクライナ政策の「転換」を発表する前日、米大統領ドナルド・トランプは首都ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地で記者団にとんでもない発言をしていた。

アメリカはウクライナに兵器を送るが、その代金はヨーロッパに払わせると述べ、さらにこう続けた。「こちらにとってはビジネスだ。あちらが欲しいというから(防空システムの)パトリオットを送ってやる。プーチンが多くの人を驚かせたからだ」


えっ、ロシア大統領のウラジーミル・プーチンが「多くの人」を驚かせたって? ご冗談を。

これは「みんなが言っている」などと同様、トランプが好んで使う特異な言い回しの1つで、彼の怪しげな主張に無条件で賛同する幻の多数派集団をでっち上げる目的で使う言い方だ。

この戦争に関するプーチンの度重なる嘘に、今さら誰が驚くものか。国家安全保障やロシア問題のプロなら、おそらく誰も驚かない。

ウクライナやその他の旧ソ連圏諸国、そして多くの欧州諸国も、プーチンが戦争遂行の邪魔になるような外交努力に本気でコミットするはずがないことくらい十分に承知している。

そもそも今回の戦争はプーチンが自ら選んだ戦争だ。ロシアがウクライナに侵攻したのであり、その逆ではない。

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