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「私はプーチンを好かない!」遂にキレたトランプ...「友情」の決裂はウクライナを救うのか?

Russia Not Worried

2025年7月23日(水)16時46分
クリスチャン・カリル(本誌米国版元モスクワ支局長)

ロシアのプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領 MIKHAIL METZELーSPUTNIKーPOOLーREUTERS

プーチンは現時点でロシア側の軍事的優位を信じ、戦闘を長引かせれば勝てると考えている。だからこそ次々とウクライナ領の奥深くにミサイルと無人機を飛ばし、勝利を引き寄せようとしている。

7月14日、トランプはホワイトハウスの大統領執務室でNATO(北大西洋条約機構)のマルク・ルッテ事務総長と並んで記者会見し、ウクライナへの新たな武器供与計画を発表した。


だが会見でこうした事情に触れることはなく、戦略的な決断というよりも腹立ちまぎれの方針転換という印象を与えた。

「問題に決着をつけるために彼(プーチン)と何度も話をした。私はいつも『いい電話会談だった』と言って電話を切ったが、そのたびに彼はキーウかどこかにミサイルを撃ち込んだ......そんなことが3度も4度もあった以上、もう話しても無駄だ」。トランプはそう言った。

ちなみにアンドルーズ空軍基地でもこう言っていた。「彼はナイスな話をするが、その晩には誰彼構わず爆撃する。ちょっと問題だな。私は好かない」

だがトランプは、プーチンが「ナイス」でない行動に出る動機には言及しなかった。この戦争がなぜ始まったのか、なぜ続いているのか、どうすれば終わるのか。

そういった戦略的視点がトランプにはない。米中東担当特使のスティーブ・ウィトコフもそうだが、個人間の駆け引きというレンズでしか物事を見ていない。友人だと思っていたのに裏切られた、だから罰してやる。そんな話ばかりだ。

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