「戦争の様相を変えた」ドローン...さらなる大量投入に賭けるウクライナ、希望を託す「新型」とは?
ドミトリエフ氏は「どこにいても、どんな車両を運転していても敵には丸見えだ」と述べた。
もっともロシア軍もこれに対応し、今は5-6人の少数兵士が徒歩ないしオートバイ、四輪バギーなどに乗って発砲しながらウクライナ側の布陣を探り、その後ドローン攻撃を仕掛けるという戦術を採用するようになった。
戦争の形が変わってもロシア軍の全体的な優位は変わらず、ウクライナ東部と北部ではゆっくりとはいえ、着実に前進を続けている。軍事専門家の見立てでは、UAV関連技術の面でもロシアがウクライナに対する当初の遅れを解消し、年間国内生産量もウクライナ並みの数百万機に達している。
前線をたびたび訪れているポーランドの軍事アナリスト、コンラッド・ムジカ氏は、ウクライナが重点を置くのはロシアの攻撃力を削ることであり、攻勢に出る能力はないとの見方を示した。
兵力不足やロシアの物量の前で、ウクライナは長期の消耗戦に苦しみそうだとみているムジカ氏は、ドローンは戦場に変化をもたらしたとはいえ、砲兵や迫撃砲がない状況を補えるほどの力はないと警告する。
ムジカ氏によると、大砲の砲弾一発と同じ損害を標的に与えるためには数十機のドローンを投入しなければならず、ドローンはある程度の救いにはなっても大砲の代わりにはならないという。