クーデター計画で起訴、ブラジルのボルソナロ前大統領の自宅を捜索...足首には監視装置を装着

ブラジル連邦警察は18日、最高裁による令状に基づきボルソナロ前大統領の自宅を捜索した。17日撮影(2025年 ロイター/Adriano Machado)
ブラジル連邦警察は18日、最高裁による令状に基づきボルソナロ前大統領の自宅を捜索した。足首に監視装置を装着することも命じた。地元メディアは、ボルソナロ氏への法的措置は、米国に逃亡するリスクを懸念して執行されたものだと報じた。トランプ米大統領と在任中に親交の深かったボルソナロ氏は、ブラジルのルラ大統領の就任を阻止するためのクーデター計画に絡んで起訴されている。
ボルソナロ氏を支持する右派議員らは、ボルソナロ氏は足首の監視装置装着のほか、ソーシャルメディアの利用停止や外交官との交信の停止を命じられたと明らかにした。ワシントンで米政府などへのロビー活動を行っている息子のエドゥアルド下院議員を含む関係者との接触も禁止されたという。
ボルソナロ氏は、自身の政党の本部でロイターのインタビューに応じ、最高裁判所のモラエス判事は「独裁者」で、今回の裁判所命令は「卑怯な行為」だと強く非難した。また、足首に監視装置が装着されたことに「この上ない屈辱を感じている」と述べた。
さらに、エドゥアルド氏とはほぼ毎日連絡を取っていたものの、同氏はロビー活動を一切行っていないと否定。エドゥアルド氏が米国市民権を取得することを期待しているとも述べた。
ボルソナロ氏の弁護士は「厳しい予防措置」だとして「驚きと憤り」を表明した。ボルソナロ氏が命令に従っているとも説明した。一方、連邦警察は、最高裁による捜索令状の詳細について明らかにしていない。
トランプ氏は、盟友であるボルソナロ氏が「魔女狩り」の犠牲になったと主張。ブラジルからの輸入品に50%の関税を発動する構えを示し、ブラジル政府に対しボルソナロ氏の裁判を中止するよう圧力をかけている。ボルソナロ氏は今回の裁判所命令は、トランプ氏が公判中の自身を擁護する発言をしたことへの反応だと考えていると述べた。
