脆弱性・紛争状況経済圏の人口、2030年までに4億3500万人に...世界銀行調査、トランプの影響も?

世界銀行が27日発表した報告書によると、食糧不安や政府の基盤が弱いことなどを背景にした脆弱性・紛争状況(FCS)にある経済圏では4億2000万人超が1日当たり3ドル未満で生活することを余儀なくされており、その数は世界人口の15%未満にもかかわらず、残りの地域全体よりも多いことが分かった。世銀ロゴの資料写真(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)
世界銀行が27日発表した報告書によると、食糧不安や政府の基盤が弱いことなどを背景にした脆弱性・紛争状況(FCS)にある経済圏では4億2000万人超が1日当たり3ドル未満で生活することを余儀なくされており、その数は世界人口の15%未満にもかかわらず、残りの地域全体よりも多いことが分かった。こうした生活を強いられるFCS経済圏の人々は2030年までに、世界の極度の貧困層のほぼ60%に相当する4億3500万人に増加する見通しだ。
過去数十年間にわたって世界最大の援助国だった米国の大統領にトランプ氏が復帰し、開発途上国への支援に後ろ向きの姿勢を示している中で世銀は国際的な援助と債務救済、技術支援の拡大を求めている。
10億人前後が暮らすFCS経済圏について報告書は「世界的な貧困と食糧不安の震源地となっており、紛争の頻度と激化によって状況がさらに悪化している」と言及。経済活動が停滞またはさらに弱まる可能性があり、最も激しい紛争地では5年後に1人当たりの国内総生産(GDP)が約20%縮小する可能性があると指摘した。