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「核保有も考えるべき」...韓国・次期政権を待ち受けるのは不穏すぎる「三重苦」

KOREA’S NEW CHALLENGE

2025年6月4日(水)14時15分
李鍾和(イ・ジョンファ、高麗大学経済学部教授)

大統領任期を「4年2期」に

こうした背景を踏まえ、新大統領は複雑に絡み合う課題──経済成長の促進、民主主義体制の改革、安全保障戦略の明確化──に正面から取り組まなければならない。

経済については、輸出主導型からイノベーション主導型への転換が最優先だ。研究開発への投資に加えてAI、バイオテクノロジー、グリーンエネルギーなど先端産業でのスタートアップ支援が必要になる。


半導体や電気自動車といった主要産業への支援の継続と、規制緩和も求められる。また構造改革とデジタル化でサービス産業を活性化すれば、潜在成長力が刺激されるだろう。

労働改革も必須。韓国の労働市場には、生産性と包括性を妨げる特徴が2つある。正規雇用と非正規雇用の二重構造がその1つで、非正規労働者は雇用の安定や福利厚生を享受できずに取り残されている。年功序列の給与体系も成長の足かせだ。

人口減少に対抗するには女性の労働参加を促し、一定の技能を持つ外国人労働者を受け入れ、高齢者の就業を継続させる政策が欠かせない。生涯教育やフレキシブルな労働環境の整備を、政府は促進できるはずだ。

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