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「核保有も考えるべき」...韓国・次期政権を待ち受けるのは不穏すぎる「三重苦」

KOREA’S NEW CHALLENGE

2025年6月4日(水)14時15分
李鍾和(イ・ジョンファ、高麗大学経済学部教授)

民主主義改革に関しては議会の立法機能の強化、司法の独立の維持、そして分断と誤情報に左右されにくい社会とメディアの育成が求められる。

憲法改正が必要になるが、大統領の任期を現在の「5年で再選不可」から「4年で2期まで」に変えることを検討するのもいい。何より大統領は野党と建設的に対話をし、身をもって自制心、制度の公正性、包括的統治を示すことが重要になる。


最後に安全保障について。新政権は対米同盟を重視する姿勢を強調しつつ、核保有も視野に入れて安全保障を模索すべきだ。特にミサイル防衛と情報の分野では、韓米日3カ国の協力体制の強化が欠かせない。

自律性の拡大も目指すべきだろう。アメリカに対して同盟国の義務を果たしつつ、その対中強硬策とは距離を置き、中国と開かれた経済対話を維持する。北朝鮮との対話は、相手側の体制に本質的かつ信頼に足る変化が起きて初めて成立する。

韓国は過去に驚異の再生力を発揮した。経済の弱点に対処し、分断を乗り越え、安全保障を強化する未来志向のビジョンを新政権が提示できるなら、今回も再生は可能だ。

©Project Syndicate

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