最新記事
韓国

「核保有も考えるべき」...韓国・次期政権を待ち受けるのは不穏すぎる「三重苦」

KOREA’S NEW CHALLENGE

2025年6月4日(水)14時15分
李鍾和(イ・ジョンファ、高麗大学経済学部教授)
トランプ関税を背景に世界金融危機以来の安値に下落した韓国通貨ウォン

4月9日、トランプ関税を背景に韓国通貨ウォンは世界金融危機以来の安値に下落 KIM JAE-HWANーSOPA IMAGESーREUTERS

<経済は停滞し安全保障は揺らぎ、政治は不安定。そんな韓国の舵を取るイ・ジェミョン(李在明)大統領が選ぶべき針路は?──>

過去50年に、韓国ほど劇的な変貌を遂げた国も珍しい。

韓国は国民1人当たりの年間所得が400ドルに満たない独裁国家から、豊かで活気ある民主主義国家へと生まれ変わった。今では大統領を直接選挙で選び、国民の平均年収は3万3000ドルを超えている。


しかし近年は経済成長の鈍化に政治の混乱、安全保障環境の緊迫化と、3つの難題に直面している。韓国は再び改革を成功させ、試練を乗り越えられるのか。

まずは経済。1970〜90年代の韓国は平均7%以上のGDP成長率を記録したが、最近は2〜3%にとどまる。さらに今後10年で成長率は1%まで落ちるとされる。

大きな要因が人口の減少だ。韓国では出生率が世界最低レベルの0.75まで落ち、少子高齢化が急激に進む。2024年12月には、65歳以上の高齢者が人口の20%以上を占める「超高齢化社会」に突入した。

生産性の伸び悩みと家計債務の高さも消費と投資にブレーキをかけ、日本の「失われた10年」に似た停滞期に陥るリスクが増大している。

投資
「FXで長期投資」という投資の新たな選択肢 トライオートFX「世界通貨セレクト」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

習首席が米へのレアアース輸出に合意、トランプ大統領

ビジネス

アングル:中国製電子たばこに関税直撃、米国への輸入

ワールド

日米関税協議、「一致点見いだせていない」と赤沢氏 

ワールド

米中、9日にロンドンで通商協議 トランプ氏が発表
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが、今どきの高齢女性の姿
  • 2
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 3
    脳内スイッチを入れる「ドーパミン習慣」とは?...「朝の1杯」と「心地よい運動」の使い方
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 6
    壁に「巨大な穴」が...ペットカメラが記録した「犯行…
  • 7
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 10
    ガザに向かうグレタ・トゥーンベリの支援船から救難…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 5
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 8
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 9
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 10
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中