仲介国家パキスタンの実像 地政学を動かす「接続力」
奔走したパキスタンのシャリフ首相 GETTY IMAGES
<米・イラン停戦合意において、パキスタンが果たした役割は小さくない。アメリカ、中国、イラン、湾岸諸国と関係を維持する同国は、支配ではなく接続によって影響力を発揮する稀有な国家だ>
先行き不透明な米・イラン停戦合意で、大きな外交的成果を上げた国がある。仲介役を担ったパキスタンだ。
同国は長年、地理的な特異性を生かして地政学上で有利な立場に立つが、今回のような重要局面では、支配力ではなく「接続力」で存在感を発揮してきた。パキスタン政府はアメリカ、イラン、中国、湾岸諸国といった主要な当事者全てと関係を維持している。
この役割は野心というより必要性に迫られてのもの。戦争が拡大すれば経済でも安全保障上でもパキスタンが影響を受けるのは必至で、仲介は戦略的自衛の意味合いが強い。
さらに重要なのは、パキスタンが単独で動いているわけではない点だ。紛争激化を望まないサウジアラビアや中国が背後で影響力を発揮しているのは間違いない。その中で、対立する複数の当事者と同時に対話できる数少ない国家としてパキスタンが存在意義を発揮。継続的に関与した陰の「橋渡し役」が、危機の流れを変え得ることを証明した。
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