「核保有も考えるべき」...韓国・次期政権を待ち受けるのは不穏すぎる「三重苦」
KOREA’S NEW CHALLENGE

4月9日、トランプ関税を背景に韓国通貨ウォンは世界金融危機以来の安値に下落 KIM JAE-HWANーSOPA IMAGESーREUTERS
<経済は停滞し安全保障は揺らぎ、政治は不安定。そんな韓国の舵を取るイ・ジェミョン(李在明)大統領が選ぶべき針路は?──>
過去50年に、韓国ほど劇的な変貌を遂げた国も珍しい。
韓国は国民1人当たりの年間所得が400ドルに満たない独裁国家から、豊かで活気ある民主主義国家へと生まれ変わった。今では大統領を直接選挙で選び、国民の平均年収は3万3000ドルを超えている。
しかし近年は経済成長の鈍化に政治の混乱、安全保障環境の緊迫化と、3つの難題に直面している。韓国は再び改革を成功させ、試練を乗り越えられるのか。
まずは経済。1970〜90年代の韓国は平均7%以上のGDP成長率を記録したが、最近は2〜3%にとどまる。さらに今後10年で成長率は1%まで落ちるとされる。
大きな要因が人口の減少だ。韓国では出生率が世界最低レベルの0.75まで落ち、少子高齢化が急激に進む。2024年12月には、65歳以上の高齢者が人口の20%以上を占める「超高齢化社会」に突入した。
生産性の伸び悩みと家計債務の高さも消費と投資にブレーキをかけ、日本の「失われた10年」に似た停滞期に陥るリスクが増大している。