ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドローン母船」の残念な欠点
China Unveils Game-Changing First Drone 'Mothership'
とはいえ、このドローン母艦は大きすぎて、現代の防空システムの格好のターゲットになるリスクがある。防空システムや電子戦による妨害、対空砲火などの防空支援を受ける必要がありそうだ。
九天は最高高度で飛んだとしても、西側の防空システムの射程圏内だ。アメリカのサード(THAAD)やパトリオットPAC-3、台湾の天弓III型、日本のイージス弾道ミサイル防衛(BMD)システム、韓国のKM-SAMブロックIIなどが待ち構える。
米国防総省の広報担当官は本誌に対し、同省は九天の存在を認識していると答えたものの、それ以上のコメントは拒否した。
アーチャー戦略コンサルティングの創業者で、シンクタンク「新アメリカ安全保障センター(SNAS)」の防衛プログラムで非常勤の上級研究員を務めるトム・シュガートは、本誌の取材にこう語った。
「これは確かに興味深い発想だと思うが、この『母艦』ドローン自体は特にステルス性能を備えているように見えず、発射する小型ドローンの航続距離も短いとみられることから、実際の戦闘においては、小型ドローンを放てるほど(標的に)近づく前に、敵軍の航空機や防空システムによって破壊されるおそれがあると考える。とはいえ、その開発の行方を注視する価値があるのは間違いない」