トランプ政権・予算削減案で環境政策に影響も...「誰もが本当にひどいと感じている」
10人を超えるEPA職員はロイターに対し、トランプ政権による予算と出張の削減が響いて11の部署で研究が停滞しており、職員は不安と将来への不確実性を抱えながら活動していると明らかにした。影響を受けるプロジェクトには、難分解性の有機フッ素化合物(PFAS)などの健康リスクへの評価、米南部の農村部での呼吸器疾患に関する調査、気候変動や山火事によって悪化する真菌症である「渓谷熱」の感染拡大に関する研究などがある。
EPAのゼルディン長官は記者団に対して先週、ORDの再編計画はまだ検討中だとして「できる限り早く発表するつもりだが、できる限り思慮深い内容にしたい」と言及。「これはORDだけの話ではなく、全ての部署が対象だ」とし、EPA職員の削減について具体的な数値目標は持っていないものの「法的義務を果たし、中核的使命を果たし、偉大な米国が復活する原動力となる」には十分な人員が必要だと主張した。
誰もが「本当にひどい」と思っている
EPA本部に勤務するORDの科学者の1人は「毎日、私たちの足元から敷物が引きずり下ろされるような気分だ」として職務に集中できない環境になっていると打ち明けた。その上で「誰もが本当にひどいと感じている」と嘆いた。
米南部ノースカロライナ州在住の別の研究者によると、研究計画は一時停止されて、EPAはクレジットカードや技術サービスといった必要不可欠なツールを取り上げた。
環境正義のようなトランプ政権が敵視するテーマに取り組んでいる科学者では、完全に職務停止に追い込まれた事例も出ている。