最新記事
考古学

古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見...「ペットとの温かい絆」とは言えない事情が

2025年5月2日(金)17時33分
ジェス・トムソン(科学担当)
イタリアの遺跡で発見されたペットと一緒の埋葬

写真はイメージです Luiscmyk/Shutterstock

<ペットと飼い主の絆は何世紀も前から? イタリアの遺跡から発見された「人間と動物」がセットになった埋葬の様式には、悲しい現実もあったようだ>

イタリア北部ベローナで発見された2000年以上前の広大な埋葬地から、人間と動物が共に埋葬されているのが発見された。見つかった遺体は161体だが、うち16体は犬や馬と一緒だったと、研究者らは科学誌PLOS ONEで発表。これらの動物は、埋葬された人のペットか、大切な存在だった可能性があるという。

■【写真】ベローナの埋葬地で発見された「人間と犬が一緒に埋葬された」遺跡の実際の様子

遺体の1つは赤ちゃんのもので、犬の全身の骨格と一緒に埋葬されていた。馬の一部と若い男性や、小型犬と中年男性、馬と中年女性などの組み合わせもあった。


ただ、温かな絆とばかりも言っていられない。発見された犬は、おそらく埋葬のためにいけにえにされた可能性が高いと研究者らは指摘する。「犬を冥界への案内役と捉えた痕跡は古代エジプトやスカンディナビアなど、時と場所を超え世界中で発見されている」


Reference

Laffranchi Z, Zingale S, Tecchiati U, Amato A, Coia V, Paladin A, et al. (2024) "Until death do us part". A multidisciplinary study on human- Animal co- burials from the Late Iron Age necropolis of Seminario Vescovile in Verona (Northern Italy, 3rd-1st c. BCE). PLoS ONE 19(2): e0293434. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0293434

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

IEA、過去最大4億バレルの備蓄放出を勧告 全会一

ワールド

イラン、W杯「参加できない」 最高指導者殺害で=ス

ワールド

トランプ氏、イランの標的「ほぼ残らず」 戦闘近く終

ビジネス

米CPI、2月前年比+2.4%上昇 3月のインフレ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 7
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 8
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 9
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 6
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 7
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中