最新記事
宗教

ローマ教皇死去で「教皇選挙(コンクラーベ)」へ...非欧州系・進歩派の路線は踏襲されるか

2025年4月22日(火)08時43分
サン・ピエトロ大聖堂

4月21日、ローマ教皇庁(バチカン)が、教皇フランシスコ(88)の死去を発表したことを受け、世界中のローマ・カトリック教徒の間では、後を継ぐのは誰になるのかとの思いが頭に浮かび始めている。写真は、サン・ピエトロ大聖堂。同日、ローマで撮影(2025年 ロイター/Guglielmo Mangiapane)

ローマ教皇庁(バチカン)が21日、教皇フランシスコ(88)の死去を発表したことを受け、世界中のローマ・カトリック教徒の間では、後を継ぐのは誰になるのかとの思いが頭に浮かび始めている。

後継者を決める教皇選挙(コンクラーベ)の日程は、各地から数日中にローマへ到着する枢機卿たちが決定。80歳未満の枢機卿の中から次の教皇が選出される。


 

教皇庁が公表しているデータによると、21日時点で枢機卿は252人で、このうち80歳未満は135人。教皇フランシスコが任命したのは108人、前の教皇ベネディクト16世の任命が22人、その前の教皇ヨハネ・パウロ2世の任命が5人となっている。

アルゼンチン生まれの教皇フランシスコは在位中、欧州以外の出身者の枢機卿の比率を増やしており、後継者も非欧州系が選ばれる可能性がある。

長いローマ・カトリック教会の歴史を振り返ると、教皇庁がフランスのアビニョンに移された1309─1377年を除くほとんどの期間で、枢機卿はイタリア人が圧倒的な多数派を占めてきた。

ただ教皇ヨハネ・パウロ1世(在位1963─1978年)が枢機卿の構成の「国際化」に着手し、その後教皇ヨハネ・パウロ2世は455年ぶりに非イタリア人の教皇になった。

教皇フランシスコは、貧困問題や世界平和について積極的に発信する進歩派として知られていたが、後継者がこうした路線を踏襲するのかどうかも注目される。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正-原油先物小幅に上昇、サウジの増産観測で前日は

ビジネス

テスラ取締役会、マスク氏の後継CEO探し開始=WS

ワールド

韓国の4月輸出、減少予想に反して前年比3.7%増 

ビジネス

米財務省、今後数四半期の国債発行額据え置きへ ガイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 3
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中