不動産王トランプの新たな妄想「ガザのリゾート化」は実現可能か? 和平への唯一の道は「これだ」

DONALD TRUMP AND THE FUTURE OF GAZA

2025年2月12日(水)15時46分
トム・オコナー(外交担当副編集長)、エリー・クック(安全保障・防衛担当)

ガザの再建に関しては専門家の提言もある。

保守系の米シンクタンク「ランド研究所」が1月28日に出した報告書は和平交渉に向けた障害を列挙し、今は「イスラエルにもパレスチナにも、和平に向けて統率力を示してくれる信頼できるパートナーがほぼ皆無」だと指摘している。ハマスが武力闘争にこだわり、パレスチナ自治政府も無力なせいだ。


10人ほどの専門家が共同執筆した報告書は、一方で楽観的な論調も示している。

数十年に及んだ北アイルランド紛争や旧ユーゴスラビアの解体に至ったユーゴ紛争など7つの事例を挙げて、今は「和解不能」に見えるイスラエルとパレスチナの紛争にも和平合意は可能だとみる。

その上で、「イスラエルは望まぬ交渉相手である武装組織も含め、全関係者と交渉する必要がある」としている。

さらに、双方が永続的な平和を築くにはパレスチナ国家樹立への確実な道筋と、イスラエル国民とパレスチナ人からの幅広い支持、パレスチナの経済的自立を可能とする地理的な計画策定、具体的にはヨルダン川西岸とガザを結ぶ安全なルートの確保が必要だと述べている。

「自治政府の改革が無理なら別の組織が主導する形になってもいい」。ランド研究所の非常勤上級研究員で報告書の筆頭執筆者であるチャールズ・リースは本誌にそう述べた。

「大事なのはそうした組織が正統性を有し、パレスチナ人に明るい未来を約束でき、国際社会の後押しを得て、イスラエルと交渉できることだ。だが残念ながら、今はまだその段階まで来ていない」

交渉の障害には、ヨルダン川西岸でのイスラエル入植地の拡大やエルサレムの地位をめぐる問題も挙げられている。

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