最新記事
トランプ関税

鉄鋼・アルミの25%関税、例外撤回の真の標的・中国には効果なし?

What Trump’s Steel Tariffs Mean for China

2025年2月12日(水)18時56分
ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌副編集長)

もし中国がこうして第三国を経由して関税を逃れるのであれば、中国にコストを負担させる唯一の道は、すべての国に関税を課すことだ、というのがトランプ政権の論理だ。これは、バイデン政権における、よりターゲットを絞ったアプローチとは大きく異なる点だ。

しかし、中国の圧倒的な鉄鋼生産に、多少なりとも打撃を与えるのは難しいかもしれない。中国ではいまだに政府の補助金が過剰生産を牽引している。2020年までは、中国の不動産ブームが鉄鋼需要を引っ張っていた。


 

だが不動産バブルが崩壊した今では、国内の鉄鋼需要も減っている。新型コロナ後の経済危機も重なって減産を余儀なくされたが、価格は今でも記録的な低水準にあり、鉄鋼会社はもっぱら国外に需要を見いだしている。

中国政府が、鉄鋼産業に補助金を出し続けていることは奇妙に映るかもしれない。特にコロナ禍前の時期には、巨大合併という手段を用いて生産拠点を統合するなど、当時すでに過剰だった生産能力を減らそうとしていたことを考えるとなおさらだ。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、アジア通貨に対し軒並み安 

ビジネス

米国株式市場=反落、S&P500の20年ぶり最長連

ワールド

トランプ税制改革法案、26日前後の可決目指す=米下

ワールド

ルーマニア首相が辞任表明 やり直し大統領選、極右首
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 3
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どちらが高い地位」?...比較動画が話題に
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    背を向け逃げる男性をホッキョクグマが猛追...北極圏…
  • 7
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 8
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 7
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中